大手企業におけるAIエージェント活用の実態とその課題
近年、生成AIの進化が企業の生産性向上や新規事業創出において大きな役割を果たしています。特に「AIエージェント」と呼ばれる自律的に業務を遂行するAIの導入が進み、多くの企業がその効果を実感し始めています。そんな中、大手企業におけるAIエージェント活用の実態について、パーソルキャリア株式会社が実施した調査結果をもとに、この新たな技術の利点と課題に迫ります。
調査の背景
調査が実施された背景には、AIエージェントの急速な進化と、企業がその導入に向けて進んでいる現状があります。AIエージェントは、情報収集から判断、実行までを一貫して行うことができ、企業の業務効率化に寄与することが期待されています。しかし、実証実験(PoC)から本運用へ移行するにあたり、組織全体での定着や人材育成が追い付いていないという課題もあるのです。そこで、パーソルキャリアはAIエージェントの導入状況、効果、課題、および投資意向について包括的に調査しました。
調査結果のハイライト
調査の結果、約48.3%の企業がAIエージェントを実際に「本番運用」しており、さらに20%は全社展開や経営戦略にまで統合していることが明らかになりました。特に、AIを導入している企業の約59.0%が効果を実感していると回答しました。このことから、AIエージェントの実用化が進んでいることが伺えます。しかしその一方で、約73.1%の企業がAIエージェントを推進するための人材や体制に不足感を抱いており、最も多く挙げられた課題は「設計・評価できる人材の不足」でした。
本番運用の拡大と効果の実感
調査結果によれば、全社展開もしくは原則的に本番運用している企業が全体の48.3%に達し、試行段階を超えて確実に実行フェーズに移行しています。AIエージェントを利用しているユーザーの6割以上が業務の効率化や知識の形式知化に成功していることも、効果を示す大きなデータとなっています。特に「属人化していたノウハウの共有が進んだ」との回答が47.6%を占め、AIエージェントが企業の知識管理に寄与していることが確認されています。
人材・体制への不足感
一方で、AIエージェントの導入は進みつつあるものの、それを支える人材や体制が十分でないという現実も浮き彫りになっています。調査対象者の中で「十分に整っている」と回答したのはわずか19.8%で、過半数が「ある程度整っているが不足感がある」と感じているという結果が出ています。特にAIエージェントの設計や評価ができる専門的な人材が不足しているという声は、今後の導入における課題となるでしょう。
まとめと今後の展望
パーソルキャリアの調査からは、AIエージェントの導入が進み、多くの企業がその効果を実感している一方で、推進するための人材や体制の整備が追いついていないことが明らかになりました。このような状況では、AIエージェントの活用が一過性のものになる可能性も高まり、さらにその投資効果を最大限に引き出すには、外部からのプロ人材を活用して不足する役割を補充し、社内メンバーへの知識移転や人材育成を進めることが重要です。
このような基盤の整備をどれだけ早く実施できるかが、AIエージェントの活用の成否を分ける鍵となるでしょう。今後、企業はAIエージェントの導入にあたって、より計画的かつ戦略的な体制の構築が求められます。
調査概要
- - 調査名称: 大手企業におけるAIエージェント活用実態調査
- - 実施機関: パーソルキャリア株式会社
- - 方法: インターネット調査
- - 期間: 2026年5月20日〜5月22日
- - 対象: 売上高1,000億円以上の企業に在籍する部長職以上505名
詳しい調査結果は、
こちらからダウンロード可能です。