大規模火山噴火と夜光雲の関係を解明
最近の研究により、トンガ沖の海底火山噴火と夜光雲の関係が世界初めて明らかにされました。この成果は、明治大学を中心とした共同研究グループが行ったもので、1880年代から続いていた謎に光を当てるものです。
研究の背景
夜光雲は、高度80~85キロメートルの中間圏で発生し、薄明時に青白く輝く珍しい自然現象です。その発見は1885年とされ、同時期に発生したインドネシアのクラカタウ火山噴火との関連が指摘されました。しかし、それ以降、火山噴火と夜光雲の関係を裏付ける確かな証拠はなかったのです。
研究のアプローチ
2022年に発生したトンガ沖の海底火山噴火が非常に大規模なものであったため、研究チームはこれに注目し、最新の人工衛星データを用いた観測を行いました。特に、日本の静止軌道衛星「ひまわり」による高感度なデータが、夜光雲の活動にどのように関与しているかを解析しました。
実施された観測と解析
米国のNASAが運用する人工衛星「Aura」を用いて、火山噴煙の水蒸気がどのように振る舞うかを追跡。これにより、2022年の噴火で放出された水蒸気が約2年後に中間圏に達し、夜光雲の活動を活発にしていることが確認されました。
実際に、この研究によると2024年には夜光雲の発生頻度が約15%も増加していました。特筆すべきは、火山噴火による水蒸気と夜光雲の関係を独立に分析し、その影響を明確にした点です。
長年の謎が解けた意義
本研究の最大の意義は、1880年代から続いていた火山噴火と夜光雲の関係について、初めて観測結果が得られたことです。これにより、過去の大規模火山噴火が地球の気象に与える影響を解明する手助けになることが期待されています。
今後も、静止衛星「ひまわり」による観測を続け、さらに多くのデータを集めることで、夜光雲の動態や将来の火山噴火、そして気候変動との関係を解き明かす方法が模索されるでしょう。
もう一歩先へ
夜光雲と火山噴火の関係の研究は、まだ始まったばかりです。将来的には、これらの現象が我々に与える影響の深層に迫ることができるでしょう。今後の研究が期待されます。
出典及びクレジット
この研究成果は、明治大学やその他の機関の科学者によって行われ、多くの資金援助を受けています。詳細な論文情報は『Earth, Planets and Space』に掲載されております。
この発見がもたらす可能性に期待し、今後の研究の進展を見守ってきましょう。