環境と安全性を両立させた新型クレーン「SL-850RfⅢ」
株式会社加藤製作所が新たに販売を開始した、80t吊りラフテレーンクレーン「SL-850RfⅢ」は、前モデルのSL-850RfⅡの優れた性能を引き継ぎつつ、さらにコンパクトで安全性・作業性の向上を実現しました。この新型クレーンには、最新の環境配慮型エンジンが搭載されており、温室効果ガスの排出を抑制しつつ、高効率な作業が可能です。
開発の背景
同社は、建設業界で業界No.1の安全性を目指し、環境に配慮した製品開発に努めています。新モデル「SL-850RfⅢ」は、2023年12月からの販売を予定しており、既存のクレーンよりも狭小地での運用や操作がしやすくなるように設計されています。
主な特長
環境への配慮
「SL-850RfⅢ」は、最新の排出ガス規制である欧州Stage Vに適合したカミンズ製の新エンジンを採用しています。出力は246kW、トルクは1,636N・mと、パワフルな性能を誇っています。また、低騒音型建設機械と燃費基準達成建設機械の指定申請も行っており、環境への配慮を強化しています。さらに、エコスイッチを搭載し、燃料消費を抑える工夫もされています。
コンパクトな構造と向上した安全性・作業性
新型クレーンは、全長を270mm短縮しており、従来のクレーンよりも複雑な場所でも運転が可能になりました。新たに回動リンク式ジブホースガイドを標準装備することで、設置時の作業もスムーズに行え、作業時間の短縮にも寄与しています。
安全機能の強化
「SL-850RfⅢ」には、昼夜を問わず周囲の視認性を向上させるLEDフロントアクセサリライトや、坂道発進をサポートする補助装置など、様々な安全機能が搭載されています。特に、新開発のKATOセーフティビューシステムにより、オペレーターは視認性の高い画面で作業を行うことが可能となり、事故防止に寄与しています。
仕様と性能
6段高剛性スーパーブーム
このクレーンは、最大吊上げ能力80t、最大ブーム長45m、最大作業半径41mの高性能を誇ります。従来のシステムに加え、新しいHYBRIDZOOM伸縮システムにより、さまざまな作業条件に柔軟に対応できる設計となっています。
ジブ性能
最大吊上げ能力4.2tを誇る3段SLジブは、特にジブ装着作業を容易にし、オペレーターの負担を軽減します。無線式吊荷監視カメラ用の電源供給システムも併せて実装されています。
今後の展望
加藤製作所は今後も、安全性の向上と環境に配慮した製品の開発を続ける意向を示しています。「SL-850RfⅢ」は100台の販売を目指しており、業界のニーズに応えた製品を提供していく計画です。
新型クレーンの発売により、より効率的かつ安全な建設現場の実現が期待されます。加藤製作所は、地域社会に貢献しつつ、持続可能な開発に取り組んでいく姿勢を強調しています。