シヤチハタ株式会社が発表した新たな清掃技術
2024年9月、シヤチハタ株式会社は「日本防菌防黴学会第52回年次大会」において、次亜塩素酸を新たに活用する技術をポスター発表しました。この発表は、家庭や商業施設における感染リスクを軽減するための重要なステップとされています。
次亜塩素酸の重要性
次亜塩素酸は、多様な場所でのウイルスや細菌の消毒に広く用いられていますが、消毒効果が低下する要因として、有機物の残存が浮上しています。特に、食品製造や医療の現場では有機物と共に残存することで感染リスクを高める可能性があります。しかし、目に見えない汚染物を肉眼で確認するのは難しく、清掃が適切に行われたかどうかの判断が困難です。
独自の見える化技術
シヤチハタの発表内容は、汚染物質を色で視覚化する技術です。具体的には、特許技術を用いて、次亜塩素酸Na水溶液とインジゴカルミン水溶液を混合したスプレーを開発しました。このスプレーを特定の汚染物質に噴霧すると、汚染されている部分が青色に変色し、清掃後の残留物も容易に判断できるようになります。これにより、消毒が正しく行われているかどうかを一目で確認できます。
MIERUMOの革新
また、シヤチハタが開発したトイレ用スプレー「MIERUMO」は、尿ハネ汚れを青く浮き出させることで、私たちに見えないトイレの衛生問題を明らかにします。このアイデアは社員の「掃除したはずなのに臭う」という言葉から生まれ、着色剤と消去剤を組み合わせ、次亜塩素酸ナトリウムの技術を用いて実現しました。
今後の展望
シヤチハタは、この技術を基にさらなる製品やサービスの開発を推進していく計画です。これにより、新しい「しるしの価値」を提供し、これからの時代のニーズに応え続けることを目指しています。
日本防菌防黴学会について
「日本防菌防黴学会」は、微生物によるリスクを管理し、生活や生産環境の向上を図ることを目的に設立された専門家の集まりです。今回の大会では、研究者と技術者が情報交流を行う貴重な場となっています。
詳細は学会の公式サイトをご覧ください。
学会情報
- - 会名: 日本防菌防黴学会第52回年次大会
- - 会期: 2025年9月24日(水)~2025年9月26日(金)
- - 会場: 賢島宝生苑(三重県志摩市)
シヤチハタは、今後も技術の革新を進めることで、さらに多くの人々に清潔で安全な環境を提供していくことを目指しています。