QlikがSnowflakeに新たな機能を発表
2025年6月2日、カリフォルニア州サンフランシスコにて、データ分析のリーダー企業Qlikは、Snowflakeの年次カンファレンスであるSnowflake Summit 2025にて、管理型Apache Icebergテーブルへのネイティブ対応を発表しました。この新機能は、データパイプラインをより高速かつオープンフォーマットでSnowflake環境へ組み込むことを可能にします。
新機能の特徴
Qlikは、Apache Icebergを活用したQlik Open LakehouseをSnowflakeと連携させる追加機能も発表しました。これにより、データ分析の柔軟性やAI機能の拡充が図れます。特徴的な点は以下の通りです:
ネイティブストリーミング対応
Qlik Talend Cloudは、企業のシステムからの継続的な変更データを、Snowflakeが管理するIcebergテーブルに直接取り込むことを可能にします。この新機能により、リアルタイムのデータ取り込みが実現し、分析やAIユースケースにおいても遅延を大幅に削減することができます。
自動最適化機能
Qlik Open Lakehouseは、Apache Icebergテーブルへの低遅延データ取り込みと、自動でのコンパクションやパーティショニングを行う最適化エンジンを備えています。この機能により、クエリを高速化しつつ、ストレージの使用量を削減。データを重複させることなく、下流での変換処理も可能となります。
データ製品のワンクリック生成
ユーザーは、Snowflake環境内でQlikのデータ製品を直接生成でき、データの品質評価も実施可能です。この機能を活用することで、組織は高品質な成果物を効率良く作成し、ビジネスへのインパクトを高めることが可能です。
RAG向けKnowledge Mart
QlikのKnowledge Martは、PDFや通話記録などの構造化・非構造化データをAIが処理可能なベクトル化データに変換し、Snowflake上に保存します。このことにより、Cortexを通じた説明可能なAIパイプラインを実現します。
エキスパートのコメント
Snowflakeのシニアプロダクトマネージャー、サウリン・シャー氏は「Apache Icebergのようなオープンスタンダードは、QlikとSnowflakeの相互運用可能なデータ基盤に欠かせない要素。リアルタイムデータ取り込みと自動最適化により、お客様のインサイト獲得がより迅速に」と述べています。さらに、United Federal Credit Unionのマイケル・ベナッシ氏も「QlikとSnowflakeの連携でデータ管理が大きく改善され、全社的なインサイト活用が加速した」とコメントしています。
Qlikのデイビッド・ゼンバー氏も、「今回の発表により、共同顧客はSnowflakeの投資を最大限に活用できるようになる。リアルタイムデータ取り込み機能とIcebergの最適化が組み合わさることで、よりスマートな分析が可能になる」と説明しました。
今後の展開
新機能は現在プライベートプレビューで提供されており、2025年7月には一般提供が開始される予定です。早期アクセスやデモの希望者はQlikに問い合わせが可能です。QlikとSnowflakeの連携によって、今後のデータ活用の形が変わることが期待されます。
企業情報
- - Snowflake: エンタープライズAIを実現するデータクラウドとして、世界中の多くの企業に利用されています。
- - Qlik: 複雑なデータを実用的なインサイトに変換し、戦略的なビジネス成果をもたらすデータ分析プラットフォームです。