泉大津市、生成AI導入で年間3800万円の業務効率化を実現

泉大津市が生成AI導入を推進し業務効率化

大阪府の泉大津市が、株式会社グラファーとの協力のもと、生成AIを活用した業務効率化の実証実験を実施し、大きな成果を上げました。南出賢一市長の指導の下、市の行政業務において約3,800万円のコスト削減を見込む取り組みが始まっています。

1. 目的と背景

生成AIの導入は、泉大津市の業務改革を推進し、市民サービスを向上させることが目的です。「ノンコア業務」とは、職員以外でも対応可能な業務を指し、そうした業務の削減によって職員が本来のコア業務に専念できる体制を整える狙いがあります。

2. 実証実験の概要

実証実験の期間は令和6年9月から令和7年3月までの約7カ月間。具体的には、次のステップで進められました：
1. グラファーの専門講師による市職員向けの生成AI活用研修を実施。
2. 日常業務にグラファーの提供する「Graffer AI Studio」を取り入れ、実際に運用。
3. 業務時間の削減や効率化状況を評価するためのアンケートを行いました。

3. アンケート調査の結果

朝日市役所で実施されたアンケートでは、約80％の職員が業務で生成AIを利用しており、その83％が実際に業務効率化の恩恵を感じています。職員からの具体的な利用例としては、管理職における「誤字チェック」や「事例調査」、非管理職では「メールの文作成」や「議事録の要約」が挙げられました。このように職員の業務が大幅に改善されていることが明らかになっています。

4. 導入効果の具体的な分析

実証実験の結果、回答者70人の業務時間は合計で2,102時間削減され、約470万円の経費が削減されました。さらに、全ての正職員（約350人）が1年間生成AIを活用することで、合計約1.8万時間の業務削減と、3,800万円の経費削減が実現可能であるとの試算が出ています。

5. 今後の展望

市は今後とも生成AIの導入を進める意向を示しており、98％の職員がその継続に前向きです。社会が抱える課題が多様化・複雑化する中で、ノンコア業務の負担を軽減することが急務とされています。そのため、生成AIを活用した業務の効率化は、行政における新しい働き方の確立に寄与することが期待されています。

泉大津市の公式ウェブサイトでは、アンケート結果の詳細や実証実験の進捗についても随時公開されていく予定です。今後の進展に注目しましょう。