Kick Space TechnologiesとFusicの業務提携
2023年、福岡を拠点とする株式会社Fusicが、同じく福岡のKick Space Technologies株式会社と宇宙事業開発における業務提携に関する覚書(MOU)を締結しました。この提携は、九州・福岡地域における宇宙産業エコシステムの発展を目指す重要な一歩となります。
業務提携の背景
近年、宇宙産業は急速に成長しており、特に超小型人工衛星の開発とデータ解析において、ソフトウェア技術の重要性が増しています。この背景を受け、Kick Space Technologiesは九州工業大学での経験を基に、超小型人工衛星のインテグレーション事業を展開。そしてFusicはクラウドやAI、IoT分野での豊富な知見を持ち寄り、両社の協働によって福岡から新たな宇宙産業の価値創造を図ります。
提携の具体的な協力内容
業務提携に基づき、Kick Space Technologiesは超小型人工衛星のハードウェアやソフトウェアの開発、衛星運用に関する専門知識を提供し、Fusicはクラウド、AI、機械学習、IoTといった先端IT技術における専門知識を持ち寄ります。両社はこの強みを活かし、事業開発の情報共有や営業活動での協力を進め、宇宙産業において新しい価値を創出することを目指しています。
福岡の宇宙産業振興に向けて
福岡は、九州工業大学やQPS研究所などの宇宙関連機関が集積し、また数多くのIT人材を抱える日本有数の宇宙産業地域です。両社は、衛星開発技術とソフトウェア技術を融合させることで福岡から新たな価値を発信し、九州を宇宙産業の中心地として確立することを目指します。
さらに、地域の大学や研究機関、スタートアップ、大手企業を巻き込み、エコシステムの形成を進めると同時に宇宙人材の育成や新ビジネスの創出にも貢献していく意向を示しています。
各社の代表コメント
Kick Space Technologiesの代表取締役CEO、佐藤凜氏は、「当社は九州工業大学からのスピンアウト企業として、超小型人工衛星開発における豊富な経験を持つ。この知見とFusicの最新技術を組み合わせることで、これまでにない宇宙システムの実現が期待できる」とコメントしています。
一方で、Fusicの取締役副社長、濱﨑陽一郎氏は、「Kick Space Technologiesとのパートナーシップを結べたことを嬉しく思い、これまでの経験をもとに日本の宇宙産業発展に貢献したい」と意気込みを見せています。
Kick Space Technologiesについて
Kick Space Technologiesは、九州工業大学の技術や知見を背景に、超小型人工衛星に特化したインテグレーションサービスを提供しています。特に10cm×10cm×10cmのCubeSatを開発し、地球観測や通信ミッションなど多岐にわたる用途へ対応しています。今後も福岡から新しい宇宙ビジネスを生み出すために、積極的な取り組みを行っていくことでしょう。
福岡地域の宇宙産業が形成されることで、日本全体の宇宙技術の発展にも寄与することが期待されます。両社の今後の動向に注目が集まります。