捜索犬のエキスパートが集結:2023 HRD&Trailing捜索犬セミナー
2023年11月11日から11月19日の間、三重県四日市市で「2023 HRD(遺体臭気)&Trailing(臭跡追及)捜索犬セミナー」が開催されます。このセミナーは、アメリカから多くの経験を持つ講師たちが来日し、行方不明者の捜索における捜索犬の技術や訓練方法を提供します。特に、地域の捜索犬の育成を支援するNPO法人日本サーチドッグアソシエーション(NSA)が主催しており、非常に重要なイベントとなっています。
重要性の高まる捜索犬の役割
日本では、毎年約8万人の行方不明者届けが出されています。そして、1万人以上は無事に見つからない現実があります。特に、認知症高齢者の行方不明者の数は年々増加しており、2022年には過去最高の1万8709人に達しました。このような事情から、地域の捜索犬が必要とされているのです。
NSAは、これまで数々の自然災害での救助犬の出動経験を持つメンバーで構成されており、警察犬の嘱託も受けている犬たちが多数います。セミナーでは、トレーリング(臭跡追及)やHRD(遺体臭気)に関する実技と座学が行われ、捜索犬を育成するための知識と技術が身につきます。
セミナー内容:多彩なプログラム
セミナーは以下のように進行します:
- - 11月11日~13日:HRD捜索犬セミナー
- - 11月14日:HRD捜索犬認定審査会
- - 11月16日~18日:Trailing捜索犬セミナー
- - 11月19日:Trailing捜索犬認定審査会
プログラム内容は、捜索犬とそのハンドラーが実技を通じて学ぶ機会が設けられており、他の参加者も見学することが可能です。特に、HRD捜索犬は災害発生後の臭気を頼りに行方不明者を捜索するため、非常に専門性の高い訓練が求められます。
講師陣:アメリカからのエキスパート
セミナーには、アメリカから来日する講師が参加します。キャシー チオド ホルバートさんとヘザー ジョー カッティングさんは、それぞれ遺体臭気捜索犬やトレーリングの訓練に長けたエキスパートで、法律執行機関や捜索救助隊で活躍してきた実績があります。彼女たちの指導により、日本の捜索犬トレーニングに新たなスタンダードが生まれることが期待されています。
地域社会への貢献
NPO法人日本サーチドッグアソシエーションは、地域社会貢献を目指して設立されました。大切な人を失くした家族のために、捜索犬の技術を提供することで、ひとつでも多くの命を救いたいという願いが込められています。日本でも、海外のように公的機関と民間団体が協力して行方不明者の捜索ができる体制を整えることが望まれています。
特に今回のセミナーは、全国から集まる参加者にとって貴重な学びの場であり、地域での捜索犬の育成と活動が進むことを期待しています。捜索犬の技術向上が、より多くの行方不明者の発見に寄与することを願っています。捜索犬たちとハンドラーたちの活躍を通じて、地域に根ざした捜索活動が広まり、多くの命を救うことにつながるでしょう。