千葉県館山市で大規模地震に備えた医療訓練が実施される

千葉県館山市での医療活動訓練

2023年9月28日、千葉県館山市において「大規模地震時医療活動訓練in館山」が実施されました。この訓練は、千葉大学災害治療学研究所と館山市が8月30日に締結した防災に関する協定に基づき行われました。今年の1月に発生した能登半島地震を受け、電力や通信の確保がいかに重要かを認識し、その対策を講じる必要性が高まっていました。

災害時においては、通常の医療機関が機能しなくなる可能性があるため、特に広域災害時の医療体制の確保が急務です。この訓練では、首都直下地震を想定し、「道の駅グリーンファーム館山」に設置された衛星通信機能付きオフグリッド診療コンテナや診療トレーラーハウスを通じて、遠隔診療の実証が行われました。

遠隔医療の実施

オフグリッド診療コンテナは、災害時には初動医療の拠点として機能することを期待されていますが、平常時にはワーケーションオフィスとしても利用可能です。一方、診療トレーラーハウスは過疎地域での巡回診療に活用される旨が示されています。このように、災害発生時だけでなく、日常的にも利用できる仕組みが重要視されています。

この訓練は、国内で初めて衛星通信機能を搭載したオフグリッド診療コンテナとトレーラーハウスを活用して行われました。参加者は、オンライン遠隔診療の実施や災害医療情報システムへのアクセスを通じて、医療連携の強化や迅速な対応が求められることを実感しました。

訓練の意義

訓練を取り仕切った館山市の森正一市長は、「防災に係る連携と協力に関する協定が実を結び、今回の訓練が成功裏に終わったことを嬉しく思います。館山がより安全になるよう、今後も千葉大学と共に力を合わせて取り組んでいきたい」と述べ、地域の安全を願いました。

一方、千葉大学の田中知明所長は、大規模地震における医療連携の重要性について言及し、衛星回線を利用したDMAT（災害派遣医療チーム）や専門医との連携が円滑に行えることへの期待を寄せました。

この取り組みは、今後の災害医療の質の向上や健康被害の防止に貢献するものとして、多くの関係者から評価されています。無事に訓練を終えたことはもちろん、今後の医療体制の強化という大きな一歩となることでしょう。

今後の展開

この訓練は、11月23日には「災害治療学シンポジウムin千葉2024」のテーマの一つとしても取り上げられる予定で、さらなる多くの議論が期待されます。全国の地方自治体でも、このような取り組みが進むことが望まれています。

今後の災害に備え、地域全体での連携が重要になってくることは明白です。今回の訓練を機に、より多くの地域で似たような取り組みが行われることを期待しています。