国立科学博物館の栗原理事がICOM執行役員に選出される
2025年11月にアラブ首長国連邦のドバイで開催されるICOM(国際博物館会議)第27回大会において、国立科学博物館の栗原祐司理事・副館長が執行役員に選出されました。これは日本からの選出としては実に36年ぶり、栗原理事は日本の博物館界において重要な役割を果たす新たなスタートを切ることになります。
ICOMとは何か?
ICOMは、1946年に設立された国際的な非政府組織であり、博物館及びその専門家が集まるグローバルなコミュニティです。博物館の進展を目的とした組織であり、倫理基準や革新性について話し合い、世界中の博物館のネットワークを広げることに力を入れています。日本からの執行役員選出は、国立科学博物館がこれまでに3人を輩出しており、栗原理事は4人目となります。
2025年ドバイ大会の意義
今回のドバイ大会は「急速に変化するコミュニティにおける博物館の未来」 をテーマに掲げており、初めてアラブ・西アジア・北アフリカ地域で行われる大会です。ここでの議論は、今後の博物館の運営や社会的役割を見つめ直す機会になるでしょう。次回の大会は2028年にオランダのロッテルダムで予定されています。
栗原祐司理事の経歴
栗原理事は1966年に東京に生まれ、上智大学法学部を卒業後、文部省(現:文部科学省)に入省しました。これまでにニューヨークの日本人学校での国際交流業務や文化庁美術学芸課長などの歴任を経て、2023年から現職に就いています。また、博物館の専門家として多くの大学で非常勤講師をつとめ、博物館政策や運営の啓発に努めてきました。
ICOMの組織
ICOMの本部はフランス・パリにあり、2025年現在では139の国と地域において60,410の会員がいます。日本においても、ICOM日本委員会は744の個人および団体を会員としており、青柳正規・山梨県立美術館長が委員長を務めています。組織は国ごとの委員会や地域連盟に加え、博物館の専門分野ごとの国際委員会に分かれ、年次会合を通じて情報交換を行っています。
まとめ
栗原理事の執行役員就任は、日本の博物館界にとって重要なマイルストーンです。彼のリーダーシップや視点により、日本における博物館の未来がより一層光明をもたらすことが期待されます。博物館は新たな時代のニーズに応えるため、ますます重要な役割を果たすでしょう。今後も栗原理事の活動に対する注目が集まります。