星野リゾートと王子ホールディングスが提案する循環型リサイクル
日本各地に71の宿泊施設を持つ星野リゾート(長野県軽井沢町、代表:星野佳路)は、王子ホールディングス(東京都)の協力を得て、2025年6月1日から使用済みの紙製ハンドタオルを新しいハンドタオルに生まれ変わらせる「水平リサイクル」をスタートさせます。この取り組みは、日本初の試みとして注目されています。
環境への責任を果たす取り組み
このプロジェクトは、気候変動に対して積極的に取り組んでいる星野リゾートが推進する循環型経済の一環です。同社は1992年から環境経営を導入し、2011年には「ゼロエミッション」を達成しており、廃棄物削減や資源の再利用に注力してきました。これまでにも、王子ホールディングスとともに使用済み紙コップをリサイクルし、nepiaハンドタオルに再生する活動を行ってきました。
「水平リサイクル」とは何か
水平リサイクルとは、リサイクルの中でも元の製品と同一の製品に再生するプロセスを指します。この方法により、廃棄物の削減だけでなく、資源の有効活用や二酸化炭素の排出削減が期待できます。しかし、従来のハンドタオルは、強度を保つために溶解性が悪く、使い終わった後の処理が難しかったという課題もありました。
新しい技術の力
王子ホールディングスは、独自の技術を駆使して、使用済み紙製ハンドタオルの溶解性を向上させることに成功しました。この技術により、ハンドタオルをnepiaハンドタオルとして再生することが可能になり、実際にバージョンアップした製品が生まれることを目指しています。
参加する施設と取り組みの進行
このプロジェクトには、星野リゾート内の「星のや軽井沢」と「軽井沢ホテルブレストンコート」、さらには「リゾナーレ八ヶ岳」など、4つの主な施設が参加します。各施設内には専用の回収ボックスが設置され、スタッフが使用するハンドタオルを効率的に回収できる体制を整えています。
2025年のスタート前に実施したテスト期間では、4施設から回収されたハンドタオルの総量が58.3kgに達しました。これを年間に換算すると約700kgとなり、その再生によりnepiaハンドタオルは年間2,917パック分の製造が可能だと見込まれています。
環境経営のさらなる展開
軽井沢星野エリアでは、1992年から環境経営を実施しており、施設の運営においてリサイクル率100%の「ゼロエミッション」を達成しました。このプロジェクトは、さらなる環境への取り組みとして位置付けられています。無駄を省き、持続可能なビジネスモデルを確立するために、星野リゾートは地域社会と共に成長することを理念として掲げています。
経済価値と社会価値の両立
この取り組みは単なるリサイクルにとどまらず、経済価値と社会的責任を両立させることも目指されています。2030年までに持続可能な開発目標(SDGs)に基づくビジネスプラクティスの強化を進め、これまでの伝統的な観光業を革新させる試みが評価されています。王子ホールディングスと星野リゾートは力を合わせ、持続可能な社会の実現に向けて邁進していきます。
まとめ
星野リゾートと王子ホールディングスの協業により、日本初の「ハンドタオル to ハンドタオル」の水平リサイクルシステムが導入されます。これにより、観光業界における新たな環境への貢献が期待されています。環境を守りつつ、持続可能な未来を目指すこの取り組みにぜひ注目してみてください。