日本の自動車メーカー、環境対策遅れを指摘されるリーダーボード結果

日本の自動車メーカー環境評価で最下層



2023年のリード・ザ・チャージによる「自動車産業の環境・人権への影響評価ランキング」が発表され、日本の自動車メーカーが期待に応えられていない状況が明らかになりました。特にトヨタ、日産自動車、本田技研工業(Honda)の3社は、18社の中で最も評価が低いことが判明し、環境対策における進捗が不足していることが浮き彫りになりました。

このランキングは、自動車メーカーが電気自動車(EV)推進の一環として、公正で持続可能なサプライチェーンを形成するための取り組みを評価しています。今年、日本のメーカー3社は「気候と環境」の部門での大幅な進展がなかったため、気候対策が後れを取っている企業とのレッテルを貼られています。

実際、総合スコアはわずか22%で、いずれの企業も総合スコアが50%を超えることができないまま、3年連続で低迷しています。トヨタとHondaは人権に関する取り組みで一定の進展を示したものの、持続可能なサプライチェーンや脱炭素化の評価が向上することはありませんでした。特にトヨタは、2023年以降に評価された企業の中で唯一、環境関係のスコアが改善しなかった企業として名を刻んでしまいました。

分析は1,584のデータポイントに基づき、88の指標によって行われています。企業の取締役会で承認された公開情報を元にしたもので、情報開示の常時見直しが求められています。次の情報開示の締切は2024年7月1日であるため、今後の対応が注目されます。

一方、リーダーボードの上位にはテスラ、フォード、メルセデス・ベンツが位置しており、テスラが首位を獲得しました。テスラは透明性向上に向けて、サプライチェーンの詳細な情報を公開し、スコープ3の排出量なども詳細に開示しており、その成果が評価されています。それでも、総合スコアは43%に留まっているため、依然として課題は残ります。

アースワークス(Earthworks)では、この結果を受けて、幾つかの自動車メーカーが良好な政策を掲げているものの、実行段階で遅れを取っている現状に懸念を表明しています。同時に、他社の成功を参考にしつつ、ベストプラクティスを導入することで改善に向けた道筋を見出すべきと指摘しています。

また、ボルボは今年の評価で最も大きく向上し、スコアが9ポイント上がりました。全8項目のうち7項目でパフォーマンスを改善し、特に環境部門での進展が目立ち、業界平均を上回るスコアとなりました。

ランキング全体を通じた傾向も見逃せません。一部の企業が気候対策を重視しているものの、鋼材とアルミニウムの脱炭素化に関しては思わしい進捗が見られないのが実情です。鋼材やアルミニウムはEV製造に必要不可欠な材料であり、この分野の進展がなければ全体のサプライチェーンのクリーン化が進まないからです。

このような状況の中、企業はさらに具体的な施策を講じ、積極的に環境問題に取り組む姿勢を求められています。自動車業界は技術革新の波に乗る一方で、環境と人権への配慮を欠かさないことが今後の成長に無くてはならない条件となるでしょう。

今後、リーダーボードでの評価がどのように変化し、日本の自動車メーカーがどのように対応していくのか、引き続き注視していく必要があります。

会社情報

会社名
SteelWatch Stichting
住所
Fluwelen Burgwal 58, 2511 CJ Den Haag, The Netherlands
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