シェルパ・アンド・カンパニー株式会社は、経済産業省とNEDOによる国家プロジェクト「GENIAC」に採択され、新たに生成AI基盤モデルの開発に取り組むこととなりました。本プロジェクトは、ポスト5Gの情報通信基盤を強化することを目的としており、特に金融領域における非定型文書の解析技術を中心に展開されます。
プロジェクトの概要
「GENIAC」は、国内での生成AI開発力を強化するためのプログラムで、シェルパは第4期の事業者として選ばれました。この事業は、競争力ある生成AI基盤モデルの開発に必要な支援を提供し、計算リソースを効率よく活用することに焦点を当てています。シェルパは、金融サービスにおける複雑な情報を扱う現場で長年の経験を持っており、そこで得た知見をこれからの技術開発に生かす良い機会と捉えています。
開発するモデルの内容
シェルパは、「金融領域に向けた非定型文書解析・根拠生成モデルの構築」というテーマのもと、以下の2つのモデルを開発します。
1.
文書解析モデルの開発:統合報告書や有価証券報告書など、レイアウトが複雑な日本語文書から情報を精確に抽出する技術を追求します。
2.
根拠生成モデルの開発:収集した情報に対してユーザーが行う質問に答え、その根拠となる情報を提供します。これにより、信頼性の向上に寄与し、業務効率を大幅に改善することを目指します。
プロジェクトの実施
シェルパは本プロジェクトの実施にあたり、大手金融機関との協力を予定しており、非財務調査でのモデルの検証を行います。これまでは手作業でのデータ抽出に多くの時間がかかっていましたが、提案するモデルによりこれを効率化し、大幅に作業時間を削減できることが期待されています。
背景と意義
シェルパは、金融機関や投資家への支援を行う「SmartESG Clarity」というサービスを展開していますが、業務現場では依然として伝統的な方法に依存している部分がありました。特に、非定型文書を扱う際には、人的リソースを必要とし、業務負担が大きくなる傾向があります。そこで、シェルパは自身の持つ金融知識を生かして、より効率的で信頼性の高い生成AIモデルの構築に取り組みます。
将来的な展望
シェルパの代表、杉本淳氏は、「このプロジェクトは、我々の目指す『利益とサステナビリティがお互いに補完し合う世界』の実現に直結する」と述べています。また、CTOの小田悠介氏は、複雑な文書を解析するためには高い理解力とトレーサビリティが必要であり、それを実現するためには新しいAI技術が求められると語ります。
結論
シェルパ・アンド・カンパニーの今回の取り組みは、日本国内の生成AI研究開発における重要な一歩となるでしょう。生成AIが持つ潜在能力を最大限に引き出し、金融市場におけるデータの透明性と効率性を大きく向上させることが期待されています。