ものづくり川柳大賞の魅力
「2025ものづくり川柳大賞」が、株式会社日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)により発表されました。この川柳大賞は、ものづくりに従事する人々の日常や感情をユーモラスに表現することを目的に、1997年以来開催されています。今回の応募数は616句に上り、その中から選ばれた入選作5句と佳作10句が先日発表されました。これらの作品は、業務や作業環境に関する思いを巧みに言葉にしたもので、選考過程にはJMACの審査員と専門家が参加しました。
入選作品とその背景
今回の大賞には、住友化学株式会社の姫野龍成さんによる「自動化で進む作業と減る知識」が選ばれました。この作品は、労働の自動化が進む現代において、職人の技術や知識の減少を警戒するメッセージが込められています。選評でも、効率的なものづくりにおいて人間の能力を如何に保つかが今後の重要な課題であるとされています。
優秀賞には、独立行政法人国立印刷局の柴田徹さんの「マニュアルに載せてもらえぬオレの勘」や、デンソーの野村佳隆さんの「老朽化油は漏れる知恵枯れる」など、職場の現実を描いた興味深い作品が選ばれました。これらは、IoTやAIの導入が進む中で、職人の経験や勘、そしてどう対策を講じていくかが重要であると訴えています。
その他の受賞作
ユーモア賞には、JX金属の興野光さんの「危険予知顔色伺う機嫌ヨシ」が選ばれました。この句は、五感を使った危険の察知の大切さを指摘しており、最新技術に頼りすぎない姿勢を示唆しています。また、世相賞にはブリヂストンフローテックの田浦樹さんの「生産性上がった要因人不足」が選出され、労働生産性や人口減少が企業に与える影響について考えさせられる内容となっています。
表彰式の詳細
2025年2月28日、新横浜プリンスホテルにて開催される「第12回ものづくり・現場力事例フェア」では、入選作者に対する表彰式が行われます。この場では、入選作品とそのイラストが一緒に公開され、賞状や副賞が贈られます。ホームページでは、受賞作品のポスターもダウンロードできるため、ぜひチェックしてみてください。
結論
「2025ものづくり川柳大賞」は、ユーモアを交えつつ、現場のリアルな思いを伝える貴重な機会です。業務改善や技術革新の中で、忘れがちな人の感情や経験の重要性を再認識させてくれます。これからも多くの人々がこの川柳を通じて、新たな視点を得られることを期待しています。