静岡県が発信する食と温泉文化の魅力

静岡県は、日本有数の温泉地であり、四季折々の食材に恵まれた地域です。2023年11月1日、そんな静岡県で「ふじのくに食と温泉文化フォーラム」が開催され、食と温泉の文化を国内外に広めることが目的とされました。このフォーラムでは、観光業と食文化、温泉の重要性について、さまざまなスピーカーからの講演や議論が行われました。

伊豆の魅力を再発見

静岡県は、439種類以上の食材が収穫され、さらに2,000以上の温泉源が存在する地域です。特に、伊豆半島は歴史ある温泉地として名高く、多くの著名な作家たちに親しまれてきました。今回のフォーラムでは、その豊かな食と温泉の文化に対する関心を高めることを目的としています。日本の文化と観光を発展させるためには、こうした地域資源の活用が鍵になると、静岡県知事の川勝平太氏は述べました。

基調講演とフォーラムの内容

基調講演では、一般社団法人富士・箱根・伊豆国際学会の五條堀孝会長が登壇し、「地域DNAから見たポストウェルネス〜食と温泉の再定義と未来への挑戦〜」というテーマで講演しました。彼は、温泉を「行楽」や「リハビリ」、食を「普通食」や「美食」と再定義し、地域の資源を観光にどう活かすかのビジョンを提示しました。

続くトークセッションでは、食のバトンをつなぐ新たな価値作りについての議論が行われ、焼津の魚匠や和食のシェフが登壇しました。食材のポテンシャルを引き出すために、料理人の技術や環境を考慮した食材の扱い方が重要であるとのアドバイスがありました。

また、ガストロノミーツーリズムの可能性についても議論され、地域資源を活かした情報発信の重要性や、地元生産者との信頼関係を築くことの意義が強調されました。

温泉の新たな活用法

フォーラムの後半では温泉プログラムが展開され、欧州の温泉文化と日本の温泉文化の融合についてのシンポジウムが行われました。この中で、高齢化社会における心の健康づくりとしての温泉の活性化についての取り組みも紹介されました。

さらに、静岡県の「ICOIプロジェクト」も発表され、温泉を活用した新しいヘルスケア産業の創出に関する内容が説明されました。このプロジェクトは「湯治」「スポーツ」「ワーケーション」の3つの柱から構成されており、地域資源を最大限に活用していく予定です。