新たなトンネル工事の安全性向上技術
山岳トンネル工事の現場では、作業員の安全が最優先されます。このたび、鉄建建設株式会社が日建リース工業、テッケン興産と共同で開発した「マンケージ用防護マット」が、その安全性と作業性を大幅に向上させる画期的な技術として注目を集めています。
開発の背景
2024年3月に改正される厚生労働省のガイドラインにより、山岳トンネル工事における肌落ち災害防止対策が強化されており、この中でマンケージによる防護が推奨されています。しかし、これまで使用されていた鋼製マンケージガードには、作業の妨げになる支柱があるため、坑壁や天端に近づくことが難しいという問題点がありました。この課題を解決するために、今回の防護マットが開発されました。
「マンケージ用防護マット」の特長
新たに開発された「マンケージ用防護マット」は、坑壁や天端に対して柔軟に変形するマット構造を採用しており、トンネル内での接近性が大幅に向上しています。これにより、作業員は肌落ちや落石から効果的に保護され、作業環境が改善されます。マットは、発砲ウレタンとポリカーボネートの3層構造により、高い安全性を確保。さらに、防水シートに覆われているため、削孔時に発生する濁水からも作業員を守ります。
また、マットにはスライド機構が組み込まれており、作業範囲に合わせて位置を調整することが可能。備え付けのレバーホイストを使えば、マットの高さを簡単に調整できるため、最適な作業位置を確保することができます。この製品は特許出願中です。
今後の展望
「マンケージ用防護マット」は2026年5月に実施される鳴瀬川ダム迂回路トンネル工事(宮城県)で初めて試行導入されます。今後もさまざまな現場での検証と改良を行い、多くのトンネル工事へ本格的に展開する計画です。また、このマットは現在、NETIS(新技術情報提供システム)への申請準備が進められています。
鉄建建設はこの新技術の普及を通じて、全国のトンネル工事における安全性の向上に貢献する所存です。作業員の安全を確保する新たな一歩として期待される本製品が、トンネル工事現場に与える影響は計り知れません。