パラマウントベッド、Dynamics 365で基幹システムを全面刷新し業務効率を向上

進化するパラマウントベッドグループ

パラマウントベッドグループは、110カ国以上に及ぶ海外納入実績を持つ医療用ベッドメーカーです。特に日本国内では高齢化が進んでいる中で、高齢者向け施設や在宅介護市場に事業を展開しています。これに伴い、1990年代に導入した基幹システムが老朽化し、全体的なシステム刷新が求められる事態となりました。

これを受け、パラマウントベッドは日立ソリューションズと協力し、すべての旧基幹システムをMicrosoft Dynamics 365のクラウドサービスで一新しました。この新システムは多言語・多通貨に対応しており、グローバルなビジネス展開を支援するために設計されています。また、各拠点のデータを分析するためのダッシュボードも備えており、生産計画から販売戦略まで広範囲にわたって業務の生産性向上を目指しています。

システム刷新の背景

パラマウントベッドグループは、医療用ベッドの製造を通じて歴史を築いてきましたが、高齢者向けのニーズに応えるために事業を拡大してきました。このような中、旧システムはもはやグループ全体のニーズに応えることができない状態でした。そのため、2018年にシステムの全面刷新プロジェクトが開始されました。

Microsoft Dynamics 365は、ERPやCRM、データ分析ツールなどを含む多岐にわたるビジネスアプリケーションを提供しています。日立ソリューションズは、豊富な導入実績とマイクロソフト社との強いパートナーシップにより、基幹システムの構築パートナーに選ばれました。新システムは、世界中のビジネス拠点に迅速に対応できる設計がされています。

新システムによる具体的な効果

新しい基幹システムには、以下のような効果が期待されています：
1. 業務の標準化の実現: 50以上のオンプレミスシステムを統合し、各拠点間での情報の一貫性を確保します。
2. 迅速な経営判断支援: ダッシュボードを用いて、グループ全体のデータをさまざまな形で分析することができ、迅速な意思決定につなげます。
3. 保守コストの削減: サーバーレスなクラウドサービスを用いることで、システムメンテナンスに関わる費用が大幅に削減されます。

パートナー企業の信頼性

プロジェクトにおける日立ソリューションズのアプローチについて、パラマウントベッドホールディングスの常務取締役で財務部長の木村陽祐氏は、「日立ソリューションズは、私たちの意志や要求を理解し、的確なガイドラインを提供してくれました。信頼できるパートナーとして、今後もさまざまな提案を期待しています」とコメントしています。

今後の展開

新たな基幹システムはまず国内の4社に導入され、その後、海外8カ国に拡大していく計画です。また介護ベッドや福祉用品のレンタルビジネスにおいても、新しいシステムを活用した業務管理が目指されています。AI技術をコールセンター業務に導入したり、Microsoft Power Appsを利用したアプリ開発も検討されており、基幹系以外の業務への展開も計画されています。