帯をスリッパに再利用する新しい挑戦
神戸きものリメイクは、2024年7月17日から9月15日まで、不要な帯を再利用してスリッパを製造するプロジェクト「おびり」を開始します。この試みは、日本の家庭で眠っている約4億本の帯を活用し、伝統文化と未来を結びつけるものです。帯をスリッパに再生することで、美しいデザインと快適な履き心地を兼ね備えた製品を世界に届けたいと考えています。
プロジェクトの成り立ち
このプロジェクトの起点は、香賀登さんが出会った高齢の友人の実家の処分にありました。その友人の息子が同居することになり、数多くの思い出の詰まった着物や帯を処分する必要に迫られました。その際、「帯を形を変えてでも残せないか」という相談を受け、スリッパという新たな形に再生するアイデアが生まれました。
日本の帯にはそれぞれ特有の歴史や思いが込められています。それを廃棄するのではなく、日常生活で活用できる形で再生することで、記憶を未来につなげるのです。スリッパは日常的に使えるアイテムであり、来客用や旅行先、くつろぎの場でも活躍します。これにより、普段着物を着る機会がない人でも帯の美しさを感じることができるのです。
新たなスリッパの開発
帯スリッパは、徳島のスリッパメーカー佐藤化学と協力し、細部にまでこだわり抜いて開発されました。これには、全体重がかかるスリッパの特性を考慮し、足にやさしく快適にするための工夫が施されています。具体的には、蒸れにくく、膝や腰に対する負担を軽減し、足裏にフィットする設計がなされています。
さらに、スリッパのデザインには実用新案も取得(実用-3231101)されており、リサイクルによる廃棄物削減と環境保護にも貢献しています。
環境保護と文化の保存
「おびり」は、帯を使用したスリッパを製作することによって、新たな資源を消費せずに美しい製品を提供することが可能です。これにより、環境に優しい製品を生み出すだけでなく、伝統文化を守るための一歩としても機能しています。お客様からも多くの喜びの声が寄せられ、特に独特のデザインが好評となっています。
クラウドファンディングの目標
今回のプロジェクトでは、様々なリターンを用意したクラウドファンディングも実施されます。応募者は、自分の帯を使ったオリジナルスリッパを受け取ることができるほか、ワークショップに参加したり、スリッパづくりを体験できます。また、目標金額100万円を集め、これを国内での販促活動や海外向けECサイトの構築に使用する予定です。
最後に
日本の伝統工芸である帯を現代の生活に取り入れることで、帯を使っていた人々の想いをつなぎ、これから使う人々にもその美しさを伝えたい。神戸きものリメイクは、これらのスリッパを通じて、新しい価値を創造し、伝統文化の保全と環境保護を目指しています。皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
詳しい情報やサポートについては、
プロジェクトURLや
公式サイトをご覧ください。