止まらない支援ニーズ、食品配付世帯数は7年間でのべ10万世帯に。空腹に苦しむ子どもたちへの支援急務
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、日本国内の子どもの貧困対策事業として、低所得のひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」を運営しています。2017年9月の事業開始以降、食品の受け取りを希望する家庭は増加し続け、2024年10月までにのべ10万世帯に達しました。
コロナ禍や物価高騰が深刻化させる、ひとり親家庭の困窮
コロナ禍や物価上昇の影響を受け、困窮家庭はますます厳しい状況に置かれています。グッドごはんへの支援を求めるひとり親家庭の数も増加しており、社会問題として深刻化しています。
食費を削らざるを得ない現実、子どもの栄養不足が懸念される
「グッドごはん」への新規利用登録を申し込んだ世帯に対し、「過去1年間に必要な食料が買えなかった経験」を質問したところ、4割もの世帯が「よくあった」「時々あった」と回答しました。
回答からは、食費を削ることで、子どもたちに十分な食事を与えられない現状が浮き彫りになっています。栄養不足が懸念されるだけでなく、子どもの心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
非正規雇用や病気など、様々な困難を抱えるひとり親家庭
グッドごはんを利用するひとり親家庭の多くは、非正規雇用で就労しているため、安定した収入を得ることが困難です。また、持病を抱えている場合や、子どもの片方の親から養育費を受け取れないケースなど、様々な事情により生活が困窮している家庭も少なくありません。
グッドごはんがもたらす、心身の健康改善と前向きな変化
グッドごはんを利用する家庭では、家計の改善、家族のコミュニケーション増加、食事の量増加など、様々なポジティブな変化がみられます。
さらに、グッドごはんを利用したことで、心身の健康状態が改善したと回答した人は8割を超えました。
回答者からは、「お腹もいっぱいにはなりましたが、こころが強くなれて、本当に救われました」や、「支えてもらえることにより、今まで以上に仕事や子育てを頑張ろうという気持ちになれました」といった声が寄せられています。
子どもたちの未来のために、継続的な支援を
食は、生きること、心身の健康を守ることにおいて、欠かすことのできないものです。子どもたちの健やかな成長を支えるためには、食事が最も重要な要素の一つです。
グッドネーバーズ・ジャパンは、今後もグッドごはんの運営体制強化や食品配付拠点の増設などに取り組み、支援を必要とする家庭を取り残さないよう活動を続けていきます。
団体概要
特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンは、2004年に設立された国際組織グッドネーバーズ・インターナショナルの一員です。「子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会」を目指し、国内外の子ども支援を行っています。
フードバンク「グッドごはん」とは
「グッドごはん」は、ひとり親家庭等医療費受給者証をもつ、所得が限度額未満のひとり親家庭を対象に、食品を毎月無料で配付する事業です。2017年9月の事業開始以降、のべ104,329世帯に食品をお渡ししてきました。
首都圏、近畿および九州における約50か所の配付拠点にて、企業や個人の寄付によって集まったお米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当のカゴいっぱいの食品をひとり親家庭に配付しています。