岸田総理、アジア・ビジネス・サミットで脱炭素化とAIイノベーションを推進! 持続可能なアジアの未来に向けて提言

岸田総理、アジア・ビジネス・サミットで力強いメッセージを発信! 脱炭素化とAIイノベーションでアジアの未来を牽引



令和6年7月5日、岸田総理は都内で開催された第13回アジア・ビジネス・サミットに出席し、力強いスピーチを行いました。総理は、世界が直面する課題として、ロシアによるウクライナ侵略や大国間の競争激化などを挙げつつも、アジアが力強い成長を遂げるためには、分断と対立をアジアに持ち込んではならないと強調しました。

そして、日本がアジアの平和と繁栄、そして協調の地域としていくための取り組みとして、グリーン・トランスフォーメーション(GX)とデジタル・トランスフォーメーション(DX)の二つの観点から、具体的な行動計画を表明しました。

GXでアジアの脱炭素化を牽引



岸田総理は、日本がアジアの脱炭素化を牽引し、巨大な脱炭素マーケットを創出していくための協力を推進していくと表明しました。日本は、2050年カーボンニュートラルと経済成長の両立を目指し、グリーン・トランスフォーメーションを国家戦略として推進しています。

総理は、アジア諸国が脱炭素化に向けた高い目標を掲げていることを踏まえ、アジアの持続的な成長には、脱炭素市場への投資を呼び込んでいくことが重要だと訴えました。

そして、アジアにおける脱炭素化の推進に向けた枠組みとして、インドネシアを始めとしたアジア諸国と共に立ち上げた「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」について、具体的な提案を行いました。

AZEC推進に向けた3つの提案


岸田総理は、AZECの今後について、以下の3つの提案を行いました。

1. 電力、運輸、産業部門のゼロエミッション化に向けたセクター別の協力イニシアティブを立ち上げる
2. イニシアティブの実務面を支えるために、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に「アジア・ゼロエミッションセンター」を設立する
3. AZECにおけるアジア大での脱炭素のルールなど、越境インフラの整備を推進する

総理は、AZECがアジアに一大脱炭素市場を創り出し、世界中の投資を呼び込んでくることを目指すと述べ、水素やCCS(二酸化炭素回収・貯留)の協力を進めるための基準整備にもスピード感を持って取り組むことを表明しました。

DXでアジアのAIイノベーションを加速



岸田総理は、DXの中でも特にAI分野でのイノベーションをアジアの皆さんと共に進めていきたいと意欲を示しました。総理は、AIは産業競争力、さらには国力そのものを左右する技術であり、世界中で開発競争が激化していることを指摘しました。

総理は、日本語は世界ではマイナーな言語であり、複雑である一方で、日本のAI技術者は、そうしたマイナーで難しい日本語でLLM(大規模言語モデル)を開発するノウハウを持っていると説明しました。そして、日本のAI技術者が、他のアジアの言語でLLMを開発することにも貢献できると述べ、日本のAI企業からアジアに貢献していきたいという強い意欲が示されていることを紹介しました。

AI Innovation for Asia


総理は、「AI Innovation for Asia」という理念を掲げ、日本のAI企業とアジアの企業との連携を促進し、AI人材育成についても、アジアと共に取り組みを進めると表明しました。

総理は、日本のAI技術で、アジアで10億人を超える新たなマーケットの創出に貢献していきたいと意欲を示し、日本とアジアの若者が切磋琢磨しながら力を磨き、アジアの未来を切り拓いていく時代を共に創っていきたいと呼びかけました。

安心安全なAIの実現に向けて



総理は、AIは人類の発展にとって大きな可能性を秘める一方、大きなリスクもあることを指摘し、安全、安心で信頼できるAIの実現に向けて、アジア諸国とも協力していく必要性を強調しました。

総理は、昨年広島G7サミットで立ち上げた「広島AIプロセス」について言及し、生成AIのリスクに対処するための国際的な取り組みを推進していくことを表明しました。また、5月に立ち上げた「広島AIプロセス・フレンズグループ」の参加者が現在53に達したことを報告し、今後もアジアの皆さんとも、ガバナンスの枠組みや技術的なリスク対策について協力を進めていきたいと考えていると述べました。

アジアの未来に向けて



岸田総理は、スピーチの最後に、アジアは世界のGDPの35%近くを占めるグローバルな成長センターであり、アジアの未来は世界の未来を左右すると改めて強調しました。

総理は、アジアの成長を支えているのは、ビジネスセクターの皆さんであり、皆さんには、今日の機会を契機として、アジア全体の更なる発展に邁進していただきたいと呼びかけました。

そして、日本は、皆さんと共に成長する、良きパートナーであり続けることを改めて約束し、スピーチを締めくくりました。

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