東京都美術館で開催される上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア」の魅力

東京都美術館での上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア」

東京都美術館では、2024年11月16日から2025年1月8日まで、上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア―記憶のなかの景色」が開催されます。この展覧会は、懐かしさや思い出を基にした多様な表現を楽しむ機会を提供します。特に「ノスタルジア」というテーマを中心に、8人の作家それぞれの記憶の風景に焦点を当てています。

ノスタルジアの意味とは?

「ノスタルジア」という言葉は、ギリシャ語の「ノストス」（帰ること）と「アルゴス」（痛み）から由来しています。このため本来の意味は、故郷への思いとそれに伴う痛みです。しかし、現代では過去の記憶を現在の風景に重ね合わせながら切ない感情を味わうことを指します。

本展では、懐かしさを強く感じさせるさまざまな風景や絵画を通じて、観客が自身の内面を見つめ直す機会を提供します。出展作家には、阿部達也や南澤愛美など、独自に日常や子ども時代を描いた8名のアーティストが名を連ねています。彼らは、自身が育った環境や地域が異なるため、それぞれのノスタルジアの解釈も多様です。

展示の見どころ

本展には、いくつかの特筆すべきポイントがあります。
1. ノスタルジアの多様性
参加作家の背景や成長した時代が異なるため、彼らの作品を通じて幅広いノスタルジアの解釈を楽しめます。
2. リラクゼーションスペース
ギャラリーAの中央には、くつろぎのためのスペースが設けられ、観客はゆったりとした時間を過ごしながら芸術を堪能できます。玉虫良次が5年をかけて描いた連作《Epoch》も初めて一緒に展示されます。
3. 同時開催の懐かしさの系譜展
ギャラリーBでは「懐かしさの系譜―大正から現代まで東京都コレクションより」が同時開催され、過去から現在に至る日本の風景を巡る作品が展示されています。これにより、ノスタルジアを感じさせる様々な側面を対比しながら鑑賞できます。

この展覧会は「公募展のふるさと」としての東京都美術館の活動を継承し、未来へ向けての発展を目指す一環でもあります。上野アーティストプロジェクトは、2017年から毎年新たなテーマで展開されており、本展もシリーズの第8回目となります。