ケイデンスのPCIe 6.0アーキテクチャが見せた進化
米国カリフォルニア州サンノゼを本拠地とするケイデンス社が、9月1日にPCI Express®6.0(PCIe 6.0)規格向けのPHYおよびコントローラIPが初回のコンプライアンス試験をクリアしたことを発表しました。この試験は、PCI-SIG®が主催した公式のコンプライアンス・ワークショップにおいて行われたもので、このワークショップ自体がPCIe 6.0規格に対する初の公式評価の場となりました。
ケイデンスのサブシステムソリューションは、TSMC N3プロセスで実装されており、PCIe 6.0規格に準拠したフルスピードである64GT/sでのテストを受けました。これにより、ケイデンスのPHYとコントローラが両方の要素を含む完全なサブシステムとして、全ての公式コンプライアンス試験に合格したことが確認され、同社の技術はPCI-SIGのIntegrators Listにも名を連ねることとなりました。
記録的な成功の背景
ケイデンス社のSilicon Solutions Groupの副社長、Marc Loinaz氏は、「PCI ExpressはAIや高性能コンピューティング(HPC)のデータセンター、さらにはAIファクトリーにおいて非常に重要なインターコネクトです。今回の成功は、私たちのPHYおよびコントローラソリューションが、ユーザーに対して完全なインターオペラビリティを提供し、量産体制が整っていることを示すものです」と述べています。この成果は、新しい規格の市場導入がエコシステム全体の協力に依存することを改めて浮き彫りにしました。
ケイデンスはコンプライアンス試験に先立ち、数か月間にわたりPCI-SIGやテスト機器プロバイダー、業界パートナーと緊密に連携し、潜在的な問題の発見や解決を行ってきました。これにより、正式な評価に先立つインターオペラビリティ試験を実施しました。これらの努力は、ケイデンスの技術と製品が市場で通用する水準であることを監視していたとも言えるでしょう。
業界の期待
Keysight Technologiesのネットワークデータセンター担当ゼネラルマネージャー、Brig Asay氏は、「次世代のAIおよび高性能コンピューティングシステムを支えるPCIe 6.0技術において、厳格なコンプライアンス試験とインターオペラビリティ試験がエコシステムの成功を支える要因です。ケイデンスが初回コンプライアンスを達成したのは、PCIe 6.0サブシステムの品質を示し、Keysightの検証経験の有効性が証明された瞬間です」と評価しています。
PCI-SIGの会長、Al Yanes氏は、「ケイデンスは長年にわたってPCIe技術の普及に貢献してきたメンバー企業です。そのコンプライアンス達成は、技術アーキテクチャの発展に寄与しています」と語っています。PCIe 6.0技術は、AIや高性能コンピューティングシステムにおける高帯域幅接続の需要を満たすもので、今後さらに多くの業界での採用が期待されます。
特に、データセンターやAIインフラの分野で広く利用されると同時に、エコシステムの成熟により自動車やエンタープライズシステムへも展開される見込みです。
まとめ
今回のケイデンスによるPCIe 6.0技術のアーキテクチャが試験を通過したことは、同社の高性能技術の信頼性と市場での支持基盤をより強固にするものです。これにより、AI推論アクセラレータチップを手がけるPositron AI社も、ケイデンスのPCIe 6.0規格対応SerDes IPの採用を進めており、シリコン実装による高帯域幅要件の解決に向けた期待が高まっています。今後、ケイデンスはPCIe 7.0規格へも対応する広範な技術を提供する予定で、この発展から目が離せません。