『小学8年生』の三越包装紙がグランプリに輝く
小学館の学習雑誌『小学8年生』の新たな付録企画である「三越〝華ひらく〟小8バージョン包装紙」が、このたび第66回『日本雑誌広告賞』のグランプリを受賞しました。これは、株式会社三越伊勢丹が協力して制作した成果であり、文化を未来へ伝える新たな一歩として注目されています。
受賞の背景と意義
受賞作品は、一般社団法人日本雑誌広告協会が主催する同賞のタイアップ広告部門において金賞、さらには経済産業大臣賞を受賞しました。この評価は、単なる販促活動を超え、教育的意義を持つものとしての価値が認められたことを示しています。教育プログラムを通じて、子どもたちに日本文化の根底にある「包む」という行為について学ばせ、自分たちの手で新たな包装紙をデザインするという試みが、業界内外から高く評価されたのです。
文化とつながる教育プログラム
昨年開催された「みんなでつくる華ひらく 共創包装紙教育プログラム」は、三越伊勢丹グループの創業350周年を記念し、地域社会と共に日本文化を振興することを目的としていました。このプログラムには全国6つの拠点で実施された授業が含まれ、子どもたちは「包む」という日本独自の行為の美しさ、その背後に隠された文化的価値について学びました。特に、自然の造形美からインスパイアされたデザインを通して、視覚と感性を刺激される貴重な体験が持たれました。
学びを形にした取り組み
この教育の成果は、そのまま『小学8年生』の付録という形で具現化されました。受賞した包装紙には、贈り物を美しく包むための専用のサイズ箱と、分かりやすいガイド線が印刷され、子どもたちが初めて取り組む際にもハードルが低くなるように工夫されています。これにより、参加学生たちのみならず、多くの読者も文化に触れ合う機会を得られるようになりました。
「包む」文化の価値
贈り物を包む行為は、単なる物理的な作業ではなく、自分の気持ちを相手に伝える重要な儀式でもあります。三越の包装紙「華ひらく」に見られるように、折り返しの位置を変えることで、特定の意味を込めることができるなど、深い文化的な背景があります。シンプルな包装でも、その背後には深い思い、相手への配慮があることを、子どもたちが学ぶことで今後の日本文化の継承が期待されます。
未来へつなぐ取り組み
三越の包装紙「華ひらく」は1950年から現在まで、70年以上にわたり多くの人々の想いを包み続けてきました。デザインは猪熊弦一郎氏によるもので、彼のデザインは自然の造形美をテーマにしています。百貨店としての歴史を持つ三越は、創業から120年以上にわたり文化振興に貢献し続けています。
この受賞をきっかけに、今後も「伝統を越える革新性」をテーマに、さらなる文化・教育プログラムの展開や取り組みが期待されます。