パリアティブケアの認知度を探る実態調査
opsol株式会社が実施した「パリアティブケアの認知度に関する実態調査」によって、日本におけるパリアティブケアに対する認知度の現状が浮き彫りになりました。調査は、特に家族の介護や終末期医療について考えた経験がある40代以上の男女330名を対象に行われ、驚くべき事実が明らかになっています。
高齢化社会の中の現状
日本は急速に高齢化が進行しており、2025年には団塊の世代が全て75歳以上となると予測されています。このため、自宅での最期を希望する人々が少なくない一方、実際には多くの方が病院で亡くなっています。パリアティブケアは、患者本人の生活の質(QOL)を向上させ、家族の精神的な負担も軽減できる重要な選択肢ですが、その認知度は依然、低いものでした。
認知度の調査結果
調査結果によれば、「パリアティブケア」という言葉を知っていると答えた人の割合は、わずか10.3%に過ぎません。61.8%は「全く知らない」とし、さらに15.5%が「よく知らない」と回答するなど、多くがこの言葉の存在すら知らないことが分かりました。これは、高齢者介護の実態を考える上で非常に憂慮すべき結果です。
終末期の過ごし方に関する意識
「パリアティブケア」という言葉を知っている場合、終末期に過ごしたい場所のトップ3は、1位が「自宅」で52.4%、2位が「パリアティブケアホーム」で30.9%、3位が「ホスピス」で11.9%でした。一方で知らない人々は、1位が「自宅」で47.9%、2位が「パリアティブケアホーム」で19.8%、3位が「病院」で13.5%という結果となり、自宅での療養やパリアティブケアホームに対するニーズが高いことが確認されました。
不安を抱える終末期
また、終末期ケアに関する不安要因としては、1位が「費用の負担」で37.0%、2位が「家族に負担をかけること」で35.1%、3位が「痛みや苦しみ」という結果が得られました。これらは多くの人が、医療や介護に伴う経済的、精神的な負担を心配していることを示しています。
最も重視されるケアポイント
調査の最後に、終末期ケアを考える際の重視ポイントを尋ねたところ、最も多かった回答は「痛みや苦しみの緩和」で40.9%でした。続いて「費用の負担」が32.1%、最後に「家族や友人との時間の確保」が13.6%という結果となりました。これにより、痛みの軽減が多くの人にとって最優先の課題であるとの認識を示しています。
まとめと今後の課題
今回の調査からは、40代以上の男女の「パリアティブケア」という言葉に対する認知度が非常に低い一方、その必要性や希望するケア場所に対する意識は高いことが浮き彫りになりました。特に、パリアティブケアの選択肢が終末期ケアの一環として、もっと広まる必要があると感じさせられました。
opsol株式会社は、この重要な問題に寄り添い、「パリアティブケアホーム」を通じて、患者本人の苦痛を和らげ、家族のサポートを行う新たなアプローチを提供しています。詳細は公式Webサイトにて確認することができます。
参考資料