博報堂DYホールディングスが国際的なAIカンファレンスで新しい研究成果を発表
株式会社博報堂DYホールディングスが、国際的に権威ある人工知能に関するカンファレンス「IJCAI 2025」にて、同社の研究部門であるHuman-Centered AI Instituteに所属する岩井皓暉研究員の論文が採択されたことを発表しました。この論文は、広告効果を最適化する手法とバナー広告デザインへの応用に関するもので、広告業界に新たな視点を提供するものと期待されています。
IJCAIカンファレンスとは
「International Joint Conferences on Artificial Intelligence」(IJCAI)は、人工知能分野において最も権威あるカンファレンスの一つであり、NeurIPSやICMLと並ぶ重要なイベントです。IJCAI 2025では、約5,404件の論文が投稿され、わずか19.3%の作品が採択されました。この高い競争を勝ち抜いた岩井研究員の研究は、2025年8月にカナダで行われるカンファレンスで発表される予定です。
論文の概要と研究背景
本論文は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で研究されたもので、Human-Centered AI Instituteの理念に基づいています。この理念は、「人間とAIが共創する未来」を目指しており、特に広告デザイン分野において「デザイナーの好み」と「アルゴリズムが予測する広告効果」を考慮に入れた新たな最適化手法を提案しています。
具体的には、「Designer-in-the-Loop最適化フレームワーク」を構築し、広告効果がある程度以上になるような条件下で、デザインを自動的に最適化する方法を策定していました。これにより、より魅力的なバナー広告を効率的に生成することが目標とされています。
選好ベイズ最適化(PBO)手法を駆使し、デザイナーの主観的好みとクリック率(CTR)などの客観的指標の両方を考慮することで、実務におけるデザイン作業への応用の幅を広げています。従来のPBOでは実現できなかった「人間の感性」と「データに基づく広告パフォーマンス」を統合する新しい道を切り開いています。
今後の展望
この研究は、Human-in-the-Loop最適化に制約条件を取り入れることで広告デザインの実務に有効性を提供することが証明されています。今後は、広告デザインに留まらず、製品デザインなど広範な分野への応用が見込まれています。
Human-Centered AI Instituteは、AIによるクリエイティビティの拡充に向けてさらなる研究開発を続け、広告業界に革新をもたらすべく取り組んでまいります。これによって、デザイナーの過重な負担を軽減し、より効率的なデザインプロセスの実現が期待されます。
以上、徒歩での移動を重視し、さまざまな情報を織り交ぜながら、博報堂DYホールディングスの新たな取り組みをお伝えしました。