株式会社ispaceの2025年3月期Q3決算発表
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史)が2025年3月期のQ3決算を発表しました。これに伴い、業績予想の上方修正が行われ、新たなミッションについての情報も公開されました。
決算の概要
発表によると、今回のQ3決算では、売上高は4,467百万円と見込まれています。ミッション2の打ち上げが無事に完了し、その結果を踏まえた監査法人との協議により、原価計上基準が「原価回収基準」から「履行義務の進捗度に基づく収益認識方法」に変更されることとなりました。これにより、今期の売上がプラス約17億円と見込まれていますが、一方でミッション3の原価計上の遅れからマイナス約14億円の影響もあるとのことです。
また、売上総利益は2,325百万円と予想され、Q4に前倒しで計上されることになりました。営業損益は-9,872百万円で、主にミッション3関連の費用の影響を受けています。当期純損益は-10,763百万円に達し、SBIR補助金の入金遅延や固定資産の減損が影響しています。
ミッション関連の情報
さらに、2023年に経済産業省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択され、SBIR補助金を活用して開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を使用する新たなミッションの情報も発表されました。このミッションは2027年に予定されています。また、当初予定されていた米国でのミッションのスケジュールが再調整され、これに伴い新たにispaceの4番目のミッションとして位置付けられました。
業績推移と今後の展望
業績の推移についても言及され、今回の売上はミッション3に関する原価計上の遅れの影響が出ていますが、ミッション2の売上計上基準の変更によりQ4での大幅な増収が期待されています。Q3までの累計売上高は1,989百万円で、ミッション3からの売上が前年同期比で87.1%増加しました。
営業損益は-6,434百万円、当期純損益は-7,365百万円となり、前年同期比で損失が拡大しています。これには為替差益や特別利益の発生が影響しているとされています。
取締役CFOのコメント
取締役CFOの野﨑順平氏は、ミッション2の成功と今後の展開について言及し、引き続き全力でミッションの達成に注力する意向を示しました。「我々は、この成功が今後のミッション開発における重要な知見をもたらすと信じており、ミッション3でも同様の成功を収めるための準備を進めています。」と述べました。
ispaceは宇宙開発を手掛ける企業として、2025年には日本法人が主導するミッション3を実行する計画であり、世界中の政府や教育機関からの需要に応えるために、さらなるサービスの向上を目指しています。今後も関連情報の公開が期待されます。