オックスフォード大学発のベンチャースタジオが新事業開始
新たな起業環境を創出するために、オックスフォード大学の
Science of Startups Initiativeと連携し、東京でのスタートアップ支援を強化するベンチャースタジオが注目を浴びています。このスタジオは、東京都が推進する「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」に選ばれ、2025年10月から2027年2月までの期間で活動を行います。
事業の目的と実施内容
この取組みは、オックスフォード大学から得られた知見をベースにしたベンチャースタジオモデルを通じて、創業者やビジネスアイデアの発見、そして相補的なチームの組成と育成を目指しています。具体的には、大企業や投資家との連携を深めながら、実証実験(PoC)や実用最小限の製品(MVP)の開発を活性化し、持続可能で再現可能なスタートアップ創出モデルを確立していく計画です。
研究の背景と重要性
この事業の根幹をなす研究は、ニューサウスウェールズ大学のポール・マッカーシー教授およびオックスフォード大学のファビアン・ブレーズマン博士が主導しています。彼らは日本を含む120か国以上で21,000社以上のスタートアップのデータを分析し、成功するスタートアップの特徴として多様で補完的な性格特性を持つ創業者チームの重要性を明らかにしました。研究によれば、複数の創業者から成るスタートアップは単独の創業者に比べ、成功の確率が2倍以上高いとされています。この重要な研究成果は『Nature Scientific Reports』に掲載され、世界中のメディアでも広く取り上げられました。
各代表者の見解
この新たな取り組みに関する関係者のコメントも非常に興味深いものです。マッカーシー教授は、データと査読付きの研究に基づいたアプローチが、創業者の発掘から適切な投資家とのマッチングに至るまで全プロセスにおいて活用されることに自信を示しました。また、Innovation Dojo Japanのフラネリー氏は、東京の優れた人材や資源に期待を寄せ、このスタジオが新たなスタートアップを世界へとスケールさせる役割を果たすと語りました。さらに、Japan Tech Venturesの上田氏は、実践的なPoCを通じてスタートアップと大企業をつなぎ、協業を加速させる意義を強調しました。
企業情報
Innovation Dojo Japanは、日本を拠点にグローバルなイノベーションを推進しており、これまでに800社以上のスタートアップをサポートしています。また、Japan Tech Venturesはアーリーステージ向けに特化したベンチャーパートナーとして、新しいビジネスモデルの創出にも貢献しています。オックスフォード大学の研究機関
Science of Startups Labは、スタートアップの成功要因に関する研究を推進し、実践的なツールやメソッドの開発を支援しています。
この新事業は、スタートアップ環境をより豊かにし、多様な主体が協働することで、東京から世界に向けた活力ある創業の風土を育むことを目指しています。