シールド坑内測量の新たな境地「わんワン測量」
建設業界は、労働人口の減少という難題に直面しています。この現状を打破するため、株式会社奥村組と西松建設株式会社は、シールド工事における測量作業を自動化する画期的なシステム「わんワン測量™」を共同開発しました。この革新的な技術は、測量作業の無人化を実現し、より効率的な建設プロセスを目指しています。
背景
日本の建設業界は、労働力不足と効率化のニーズからICTの活用が急務です。特にシールド工事においては、作業時間の短縮や安全管理の向上が重要視されています。従来の坑内測量は、作業員が手作業で行っていたため、長時間の移動や高い身体的負担が伴いました。これらの課題を解決するために「わんワン測量」が開発されました。
わんワン測量システムの特長
「わんワン測量」は、4足歩行ロボットとロボットアームを利用して、既知点にプリズムを自動で据え付けるシステムです。測量が開始されると、ロボットは自律的に坑内を移動し、指定のポイントに無人でプリズムを設置します。これによって、作業の効率化と安全性の向上が図られています。
1. 4足歩行ロボット
このロボットは、トンネルの形状に対して柔軟に動くことができ、遠隔操作で自動発進や帰還が可能です。ロボットには3D-LiDARセンサーが搭載されており、設定された座標情報に基づいて正確に移動します。
2. ロボットアーム
プリズムの据付作業は、ロボットが指定の位置に到達した後に行われます。ロボットアームは、AIによって自動的に調整され、正確な位置にプリズムを設置します。このプロセスは、作業の手間を大幅に軽減しています。
3. 自動充電ステーション
ロボットは、作業が終了すると自動で充電ステーションに戻り、次回の作業に備えます。この充電システムは、ロボットの運用を円滑にする重要な役割を果たしています。
実証実験の成果
奥村組では、実際のシールドトンネル工事現場で「わんワン測量」の性能を評価してきました。模擬トンネルでの実証試験により、ロボットは狭い足場上でも自律的な移動が可能で、急曲線区間でも安定した動作を確認しました。さらに、プリズムの据付精度も高水準であり、測定間の較差は僅か2mm程度と実用的な精度を実現しています。
将来の展望
「わんワン測量」は、他の測量システムとの連携を強化し、さらなる精度向上を目指しています。将来的には、全自動の測量プロセスを確立し、業界全体の生産性を向上させることが期待されています。また、2026年に幕張メッセで開催される国際建設・測量展での展示も予定されており、多くの関心が寄せられています。
まとめ
奥村組と西松建設が開発した「わんワン測量」は、シールド工事における新たな可能性を示しています。このシステムにより、測量作業は安全で効率的になり、建設業界の未来を切り開く突破口となることでしょう。今後の展開が非常に楽しみです。