AGESTが新たに開発した画像認識技術『AdaSniper』
株式会社AGEST(東京都文京区)は、電気通信大学と共同研究を進め、画像認識モデルの信頼性を向上させる新技術『AdaSniper』を開発しました。この技術は、自動運転車や医療、農業など、幅広い分野での安全性と信頼性を大きく向上させる可能性を秘めています。
新技術開発の背景
近年、画像認識モデルの活用は急速に拡大していますが、その中で特定の条件における誤動作や系統的な故障が問題視されています。これまでのテスト手法は、多くの画像を用いることが主流でしたが、画像の種類や量に関する理論は不十分でした。また、特定の条件下で誤りが偏る現象も多く見受けられます。
そこで、新たに求められていたのが、効果的なテスト方法です。AGESTは、このような課題を打破するために、AdaSniperの開発を進めるに至りました。
『AdaSniper』とは?
『AdaSniper』は、AIが画像認識モデルがどう間違いを犯すかを学習し、それを基に誤記識別パターンを自動的に見つけ出すための道具です。この手法によって、隠れた弱点を明らかにし、モデルの信頼性を大幅に向上させます。特に以下の特徴があります。
1. 自動での検出機能
誤認識先のクラス情報をもとに、AIがテスト条件を自動生成します。これにより、効率的な検証が可能となり、人手の負担を大幅に軽減します。
2. バリエーションの効率的確保
AIを活用し、基本画像に改変を加え、画像解析ソフトウェアが誤認識しやすいバリエーションを集中的に作成します。これによって、必要な量とバリエーションを効率的に確保します。
3. 誤認識への適切な対応
特定の条件での誤認識を効率的に特定し、モデルの弱点を広範囲にわたって検出します。
4. 幅広い適用範囲
自動運転だけでなく、医療や農業など、さまざまな分野での応用可能性が示唆されています。
実験においては、AdaSniperは既存の手法と比較して効率的に系統的な故障を検出することが確認されました。
共同研究と特許出願
電気通信大学との共同研究のもとで開発されたこの技術は、名の知れた研究者たちが関与しています。AGESTは特許権を取得し、企業の独自の技術として社会への迅速な実装を進めます。
今後の展望
AGESTは、AdaSniperを様々な画像解析ソフトウェアに応用し、製品やサービスの品質向上に寄与するとともに、特に自動運転技術や医療現場での安全性確保を目指します。教育や研究機関との連携を深めながら、社会問題解決に向けた技術開発を推進する方針です。
会社概要
AGESTは「テクノロジーによるDX推進」を目指しており、次世代QAソリューションの提供に取り組む企業です。この新技術により、AIの信頼性と安全性の向上に貢献し、更なる技術革新をリードしていくことが期待されています。