多様な就労支援プロジェクト、「WORK! DIVERSITY」の取り組み
日本国内では生産年齢人口が今後大幅に減少すると予測されていますが、働く意欲を持つ人々の中には、既存の公的支援制度の対象外に置かれている方々が多くいます。ひきこもりやニート、LGBTQ+、がんサバイバーといった多様な背景を持つ人々が就労の難しさを抱え、社会での活躍を望んでいるのです。このような中で、岐阜県は「WORK! DIVERSITY実証化モデル事業」を通じて、新たな就労支援のしくみを構築しています。
プロジェクトの概要
一般社団法人サステイナブル・サポートが中心となり、岐阜市の補助と公益社団法人日本財団の助成を受けて、2022年9月に始まったこのプロジェクトは、岐阜県における就労の支援体制を強化することを目的としています。特に、既存の支援に漏れがちな「働きたいのに働けない」という状況にある人々に着目し、多様なニーズに応じた支援を行うことが求められています。
これまでにこの取り組みのもとで46名の利用者が支援を受け、12名が一般企業に就職するという成果を上げています。また、2024年度からは岐阜市をはじめ、千葉県、福岡県、豊田市、宮城県、名古屋市など全国6自治体に展開が予定されています。
定期的な地域連携会議の開催
プロジェクトの一環として、定期的に開催されるのが「ダイバーシティ就労推進地域プラットフォーム会議」です。最近、6回目となるこの会議が開催され、各支援機関の関係者が集まりました。データによると岐阜市の就業率は高く、今後の労働力不足に向け、こうした取り組みが一層重要となります。
会議では、参加者同士で実践報告を行い、就労困難者の抱える課題とその解決策について意見を交わしました。その中で、職場環境の改善や、多様な働き方を受け入れる企業文化の醸成がカギとなることが再確認されました。
各分野の意見を集約し具体的な方向性を
また、会議では「雇用施策検討会」の取り組みについても共有され、企業と支援機関の間でより良い連携の構築を目指してディスカッションが行われました。「働く側」と「支援する側」それぞれの視点相互の理解を深めることで、実効性のある支援体制を整える重要性が確認されました。
参加者からは、「実践から見えてきた成果や傾向を、このように共有できてとても有意義だった」という感想も寄せられ、今後の取り組みへの期待が寄せられています。
今後の展望
岐阜県内の企業とも連携を深め、地域全体で支援体制の向上を図ることが目指されています。具体的には、今後も定期的に会議を実施し、就労困難者の雇用創出における課題分析を進め、さらなる政策提言を行う予定です。
本プロジェクトは、地域の就労支援を強化し、岐阜から他の地域にこのモデルが広がることを期待されています。これにより、社会全体がより多様性を受容し、人々が自分らしく働ける環境が整うことが望まれます。
一般社団法人サステイナブル・サポートは、これからも多様な働きづらさを抱える方々のために、官民連携を通じた支援に取り組み続けることでしょう。社会全体の理解と協力が求められる中で、具体的な活動が目に見える形で実を結ぶことが期待されます。