リアルな声を届ける
12月13日、大阪市中央公会堂には、多くの人々が集まり、障がい支援の重要性を共に考えるイベントが開催されました。主催は障がい者就労支援事業を行うReSowホールディングス株式会社で、特別ゲストとしてロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが登壇しました。
田村亮さんは、適応障害という診断を受けた自身の体験を振り返りながら、社会復帰のプロセスやその時の思いを率直に語りました。彼の話は、聴衆に深い感銘を与え、勇気を与えるものでした。
影を乗り越える
事件の影響で、田村さんは約10ヶ月間外に出ることができず、しばらくの間は全く笑えない日々を過ごしました。そんな時、彼の心に変化をもたらしたのは、訪れたデイサービスでした。「デイサービスで詐欺に遭った話を面白おかしく語ったことで、自分が少しずつ笑えるようになった」と振り返ります。
このように、自らの体験をユーモラスに語ることで、少しずつ周囲との関わりを取り戻していった田村さん。支援の大切さを実感し、そこから社会復帰への第一歩を踏み出しました。
支え合う関係の重要性
田村さんはまた、静岡でのレギュラー番組が心の支えになったと語りました。「静岡のファンから「静岡で待っています」とのメッセージが、私にとって大きな励みになりました。そのため、今でも静岡の仕事を大切にしています」と話します。こうした具体的な接点が自身にとっての大きな支えとなり、また恩返しをしたいと強く思うようになったと言います。
これに応じて、ReSowホールディングスの代表・熊野氏は、「相手に期待をかけるのではなく、自分たちが『私は待っています』と伝えることが大切です」と強調しました。このように、支援者と当事者の間には、共に成長し合う関係が求められるのだと、彼の経験からも伺えます。
心に響くメッセージ
イベントの最後に、田村さんは観客に向けて「当事者は、自分の好きなことをすることが大切です。家族や信頼できる人には思い切って甘え、支援者も自分自身が変わったことを自覚することで、双方が気持ちよく生きられると思います。お互いに心地よい距離感を探しながら一緒に生きていきましょう」とエールを送りました。
ReSowホールディングスは、今後も困難を抱える方々に希望を届けると同時に、障がい支援の新しいあり方を社会に発信する努力を続けていきます。このイベントが、ハンディを負った全ての人々が生きやすい社会への一歩となることを願っています。