YouTubeから自動車業界へ！KGモーターズの新たな挑戦とは

KGモーターズの新型モビリティ開発の背景

近年の気候変動への意識の高まりから、各国がカーボンニュートラルを目指している中、日本政府も2050年までの達成を目標としています。自動車業界でもEV（電気自動車）の普及が急務とされる中、KGモーターズの取り組みが注目を集めています。

EV化の課題と新しい提案

現在、開発されているEVは、長距離移動を前提にバッテリーの大型化が進んでいますが、その結果として製造時や廃棄時に多くのCO2を排出してしまうという問題があります。国土交通省の調査によると、実際の自動車使用実態は、7割が10km以下の短距離利用で、また7割が一人乗りであることが明らかになっています。これらのデータからも分かるように、現行の車両は利用者の実情にそぐわない「オーバースペック」なものが多いと言わざるを得ません。

短距離専用小型モビリティの開発

KGモーターズでは、このような背景を踏まえ、特に「1人乗り短距離」に焦点を当てた小型モビリティを開発中です。コンパクトな設計により、省エネで家庭用コンセントからも充電できる仕様となっています。さらに、LNG（液化天然ガス）を利用した場合、コンパクトカーと比べて10分の1のCO2排出量を実現するなど、高い環境性能を有します。また、原付ミニカー規格に沿った設計のため、車検不要で税金や保険の負担も軽減されます。

東京オートサロンでの注目を集める

KGモーターズは2022年の東京オートサロンで、プロトタイプを発表し、大きな反響を呼びました。それにより、必要な人材の確保やサプライヤーの開拓に成功し、量産モデルの開発に着手しています。特に、サプライヤーは広島の企業を中心としていることから、地域経済への貢献も期待されています。

未来の展望

KGモーターズは来年1月の東京オートサロン2023で、量産試作車を発表する予定です。発表後は量産販路の確保やシェアサービス展開を目指し、各種テストを行います。テストには名古屋大学の山本教授の協力を得て、技術的な信頼性を確保します。そして、10月からは市場での実証実験を開始することが予定されています。このプロセスや開発の様子については、自社のYouTubeチャンネル「KG motors くっすんガレージモーターズ」にて随時公開される予定です。

KGモーターズ株式会社について

KGモーターズは、環境性能の高い小型モビリティの開発を進めるスタートアップ企業で、2022年に設立されました。代表取締役CEOの楠氏は、2021年にGoogle Japanが選ぶ影響力のあるクリエイター101人にも選ばれた実績を持つ注目の人物です。企業のビジョンは、持続可能な交通手段の提供と、環境問題への貢献です。