里山牛プロジェクト
2022-09-27 13:48:11
地域資源を生かした持続可能な畜産「里山牛プロジェクト」が受賞
里山牛プロジェクトが「Sustainable Japan Award」で栄誉を受ける
鹿児島県志布志市に位置する株式会社さかうえが展開する「里山牛プロジェクト」は、The Japan Times主催の「Sustainable Japan Award 2022」で優秀賞を受賞しました。このプロジェクトの大きな特徴は、荒廃が進む中山間地域の遊休農地を有効活用し、黒毛和牛を放牧することで自然環境を保全することにあります。
地域資源を最大限に活用した取り組み
このプロジェクトは2019年に始まりました。牛を放牧することで、耕作放棄地の有効活用が進む一方で、自給飼料を用いることにより持続可能な畜産業を実現しています。具体的には、牛が食べる飼料は草を主体としたもので、全て自社で生産されるため、外部からの飼料依存を軽減しています。
これにより、地域の資源をフル活用しながら、牛肉の品質も向上。このプロジェクトの実施により、地域経済の活性化にも寄与しています。百貨店での取り扱いや贈答用商品としても認知度が高まり、多くの消費者から支持を得ています。
環境への配慮と農業の新たな可能性
里山牛プロジェクトで採用される放牧スタイルは、持続可能な農業のモデルケースとして他地域への普及も期待されています。特に、牛の糞尿が農地に還元される循環型農業は、持続可能性を推進する上で重要な側面となっています。これは、環境保護だけでなく、食料自給率の向上にも寄与します。
また、近年の輸入穀物価格の急騰やグレインフェッドビーフが抱える環境問題への対抗策として、自社での飼料生産は大きな意味を持ちます。これにより、価格変動に強い安定した農業経営を実現し、地域の食品供給のセキュリティ向上にもつながります。
他地域への展開と持続可能な未来の実現
里山牛プロジェクトは、単に農業の効率化を図るだけでなく、地域の文化や自然に根ざした持続可能な社会の構築を目指しています。プロジェクトの成功は、志布志市を超えた他の地域でも展開されることが期待され、日本全体の抱える課題解決のモデルとなることでしょう。
消費者とのつながり
さらに、さかうえでは、牛の飼育から加工、販売までも一貫して行い、消費者に直接良質な牛肉を届けることを目指しています。自社で育てた「里山牛」は、自然環境の中で育成され、一年中放牧されることで、肉本来の旨味と適度な脂身を持っています。このように、消費者との距離を縮める取り組みも評価されています。
まとめ
里山牛プロジェクトは、地域資源を活用した持続可能な農業の新しい方向性を示しています。また、環境保護や地域社会の活性化、さらには健康意識の高い消費者に適した良質の牛肉を提供することで、未来の日本における農業の在り方を再定義する努力を続けていくでしょう。今後の展開に注目です。
会社情報
- 会社名
-
株式会社さかうえ
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町安楽2873-4
- 電話番号
-
099-473-1990