家事の負担を可視化するアプリ『ペアワーク』が特許取得
KDDIグループの株式会社medibaが、共働き夫婦向けに提供する家事共有アプリ『ペアワーク』の新機能が特許を取得しました。特許番号7717209号として登録されたこの技術は、家事に費やした時間を「時給」という形で可視化し、家事の負担がどのように分担されているのかを明確に示すことができます。
背景と課題
近年、共働き家庭は全体の約70%を占めるようになりました。しかし、調査によれば、家事を担う妻の負担は夫の約3.58倍にも達し、依然として家庭内の役割分担には大きな偏りが見られます。SDGsの目標5-4でも強調されるように、無報酬の家事労働の認識と評価は、国際的にも重要なテーマとされています。この状況を踏まえて、medibaは夫婦間の相互理解を深め、円滑なコミュニケーションを促進するためのツールを提供しています。
特許取得の詳細
取得した特許の仕組みとしては、まずパートナーが希望する時給をリクエストし、相手がそのリクエストに合意または新たな金額を提案します。このプロセスは両者が合意するまで繰り返され、最終的には時給が確定します。また、日々の家事内容や作業時間は自動的に記録され、月ごとの取り組み時間が集計されます。その結果、家事への貢献度が時給に換算され、精算シミュレーションが自動で算出される仕組みです。
この特許技術の特徴は、夫婦間で設定された家事に対する労働価値を明確に示し、家事分担を金銭的な指標で可視化できる点にあります。これにより、以前は感覚的に捉えられた家事に対する貢献が、それぞれの努力や時間に基づいて認識され、感謝の気持ちを互いに伝え合う新しいきっかけとなるのです。
開発の背後にある思い
本技術の開発に携わったプロダクト責任者の木村美紗氏は、パートナーの昇進により家事や育児が一手に計画されていた経験をきっかけに、この機能が誕生したと語っています。「家事は頑張っても昇進にはつながらず、補償されることが少ない。その不満を相手にぶつけるのではなく、解決策を見つけたい」との思いが、この取り組みの礎となりました。彼女は、家事の時間を時給という形で見える化することは、夫婦間の公平な認識を促進し、互いの努力を尊重し合う新たなコミュニケーションツールになることを信じています。
今後の展望
medibaはこの特許技術を基に『ペアワーク』のサービス展開を加速し、共働き夫婦が家庭と仕事を両立させながらより豊かな未来を創造できるよう、さらなる支援を続けます。『ペアワーク』は150種類以上の家事メニューからのリスト作成や、貢献度表示機能を搭載し、家事の分担を可視化しながら、パートナーとのコミュニケーションを円滑にサポートします。
アプリはApp StoreやGoogle Playからも入手可能です。
medibaの概要
medibaは、Pontaパスやauウェルネスなどの関連サービスを提供している株式会社で、さまざまなメディア関連事業を展開しています。インターネットを通じてユーザーが必要な情報に容易にアクセスできる環境を整え、理念「ヒトに“HAPPY”を」を掲げ、その実現に向けたサービスを展開しています。
このように、家事を時給で可視化する仕組みを通じて、家族の関係性をより良いものに変えていくことを目指しています。