ロジコネット、アシストスーツを導入
物流業界における人手不足や作業者の身体的負担軽減が重要な課題となる中、ロジコネット株式会社がアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power®」を導入しました。このスーツは、東京理科大学発のスタートアップ企業、株式会社イノフィスが製造・販売しているもので、腰の負担を35%軽減する能力を持っています。2025年4月には、ロジコネットに5台が納品され、物流拠点での荷役作業における身体への負担を大幅に削減する見込みです。
物流業界の人手不足と身体的負担
近年、物流業界は人手不足が深刻化しています。特に、重い荷物の荷下ろしや仕分け業務は、作業者に大きな肉体的負担を強いています。また、少子高齢化の影響で若手の作業者が減少し、ベテラン作業者の負担が増大しています。これにより腰痛が発生し、欠勤や離職につながるケースも多く、業界全体での人手不足がますます深刻になっています。実際、運送事業を含む運輸交通業において業務上の疾病の約80%を腰痛が占める現状です。
ロジコネットの取り組み
ロジコネットはサカタインクス株式会社とartience株式会社の合弁会社として、物流業務を専門に行っています。野田事業所の所長である神澤 昭年氏は、作業員の腰の負担を軽減するために、過去には作業員の増員や身体に負担のかかる作業を無理に行わせないように配慮してきたと語ります。しかし、限られた人員の中で根本的な解決策を見つけることが求められる中、アシストスーツの導入を決断しました。
「マッスルスーツSoft-Power®」の特長の一つである、装着したままフォークリフトを操作できる点やファン付き作業服との併用が可能であることが、現場での使用における利便性を高めています。導入後は「腰が明らかに楽になった」という現場作業者の声も多く、作業効率の向上が実感されています。また、機械の導入が難しいエリアでも、マッスルスーツを活用することで課題解決に挑んでいるとのことです。
マッスルスーツSoft-Power®の特徴
このスーツは、人工筋肉技術を応用し、背面部にアシスト技術を組み込むことで、他のサポータータイプの製品に比類ない補助力を発揮します。具体的には、腰の負担を約35%軽減し、製造・物流倉庫など腰に負担のかかる作業で特に効果を発揮します。また、介護現場や農作業など多様なシーンで利用できるため、広範な応用が期待されています。
製品情報は以下の通りです:
- - 製品名: マッスルスーツSoft-Power®(ソフトパワー)
- - サイズ: 1サイズ(適用身長150㎝〜200㎝、ウエストサイズ:フリー)
- - 希望小売価格: 59,400円(税込)
- - ブランドサイト: マッスルスーツ公式サイト
今後の展望
神澤氏は、今後の追加導入や他事業所への展開を視野に入れ、作業員の負担軽減と欠勤ゼロを目指し、引き続き取り組んでいく方針を示しています。このように、アシストスーツの導入により、物流業界における身体的負担を軽減し、人手不足の解消にも繋がることが期待されます。アシストスーツを利用することで、作業者の健康を守り、より安全かつ効率的な作業環境の実現を目指すロジコネット株式会社の挑戦は、業界全体への良い影響を広げることでしょう。