「支援」から「共創」へ。福祉の常識を覆す本格スイーツ『KURUMERU』
社会福祉法人征峯会が運営する「パン工房しらとり」から提供される焼き菓子『KURUMERU(くるめる)』が、最近「いばらきデザインセレクション2025」に選定されました。この受賞は、福祉施設で作られる製品に対する偏見を打ち破る象徴的な出来事です。本記事では、KURUMERUの開発の背景や品質について詳しくご紹介します。
圧倒的なプロフェッショナル品質の追求
福祉施設の製品に対しては「支援のために買う」という意識が残っていますが、KURUMERUはそれを超越した「圧倒的なプロフェッショナル品質」を目指しています。厳選された素材、丹念に作り込まれた製法、そして美しいデザインがすべて調和し、この焼き菓子は完成しました。
こだわり抜いた素材と製法
KURUMERUは、たっぷりのクルミと自家製キャラメルをバター香る生地で挟んだ焼き菓子です。シェフの緻密なレシピに基づき、就労継続支援B型事業所で働く利用者様がその製造に取り組んでいます。シェフはレシピを視覚的なマニュアルに落とし込み、利用者様はそのルールを忠実に守ることで、安定した品質を実現しているのです。
高級焼き菓子の開発への情熱
パン工房しらとりの代表的な焼き菓子は、イギリスパンを使ったラスクですが、次なるステップとして「本格的な高級焼き菓子」の開発が社内から求められ、このプロジェクトがスタートしました。シェフは、スイスのお菓子を参考にし、福祉の現場での再現性を考慮しながら、利用者様が参加できるなかでプロジェクトを進行させました。ここからKURUMERUが誕生したのです。
アートがもたらす新たな価値
さらにユニークな点として、KURUMERUのパッケージには、障がい者アートが使用されています。アートを依頼したのは「NODD」というデザインユニット。重度の知的障がいを持つ生活介護の利用者様が描いた絵が、魅力的なパッケージになりました。これによって購入者は「選ぶ楽しさ」を味わえ、同時に地域の福祉に対する理解と支援を深めることができます。
ターゲットとする顧客層
KURUMERUの主なターゲットは、家族や友人、同僚に手土産を渡したいと考える30代から40代の女性です。彼女たちは「福祉施設の商品だから」と選ぶのではなく、「おいしいから」「素敵だから」といった理由で選んでいます。
地域社会への影響と未来の目標
商品名「KURUMERU」には、無添加クルミと自家製キャラメルの美味しさに加えて、作った人、贈る人、受け取る人が笑顔で「くるめる」ことへの願いが込められています。今回の受賞は、障がい者が作る製品の質の高さを証明し、福祉の現場が地域と共に新たな価値創出への挑戦を続けることを示しています。
結論
KURUMERUは、美味しさと福祉の両方を兼ね備えた本格的な焼き菓子として、地域の皆さまに愛され続けることでしょう。これからもKURUMERUを通して、「支援から共創へ」の挑戦を発信し続けていきます。