STマイクロエレクトロニクスの新しい電源ソリューション
STマイクロエレクトロニクスが新たに発表したGaN(窒化ガリウム)ハーフブリッジ・ゲート・ドライバ「STDRIVEG210」と「STDRIVEG211」により、電源設計の効率が大幅に向上することが期待されています。これらの製品は、産業用および通信用の低電圧システムに最適化されており、バス電圧、72Vバッテリーシステムや110V AC電源の装置向けに設計されています。
設計の革新
STDRIVEG210は、幅広いアプリケーションに対応可能で、サーバや通信基地局、バッテリーチャージャ、アダプタ、さらには太陽光発電システムのマイクロインバータやUSB-C電源など多岐にわたります。また、300nsという起動時間の迅速さが特徴で、この高い性能は電源の効率を大きく向上させます。集積されたリニア・レギュレータによって、ハイサイドとローサイドそれぞれに6Vのゲート信号を生成し、最適な制御を実現します。
一方、STDRIVEG211には過電流検出やスマート・シャットダウン機能が備わっており、特に電動工具や電動自転車、ポンプ、サーボのようなモータードライブなどに最適です。これにより、安全性が向上し、様々な用途に対応した設計が可能となります。
高速スイッチングと保護機能
両モデルは、それぞれ独立したゲート駆動パスを持ち、高速スイッチングを実現します。シンク電流は2.4A、ソース電流は1.0Aを提供し、dV/dt調整の容易さも魅力です。さらに、貫通電流を防ぐインターロックなどの保護機能も充実しており、動作の安全性が確保されています。特にデッドタイムの管理が効率的で、10nsにまで短縮されたマッチング時間により、信号の伝搬遅延も大幅に改善されました。
環境への配慮と量産体制
STマイクロエレクトロニクスは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも進めています。2027年までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画を掲げ、カーボンニュートラル達成に向けた努力を続けています。また、現在これらの製品は18リードの小型QFNパッケージ(5 x 4mm)で量産中で、1000個購入時の単価は約1.22ドルとなっています。
まとめ
STマイクロエレクトロニクスの新しいGaNハーフブリッジ・ゲート・ドライバは、高速かつ安全な電源設計を実現し、様々なアプリケーションに役立つ技術を提供します。これにより、業界の電源管理の未来が明るくなることが期待されます。詳細については公式ウェブサイトで確認してください。