歴史的建物を活用した新たな観光拠点、旧高岡共立銀行の再生プロジェクト

高岡市の新たな観光スポットとしての期待

富山県高岡市での「旧高岡共立銀行利活用事業」が進められており、地域の文化や歴史を尊重した新たな観光拠点の創出が計画されています。このプロジェクトは、2024年11月に始まる予定で、市が実施した公募型プロポーザルによって、ミサワホーム株式会社を中心としたコンソーシアムが優先交渉権者に選定されました。さらに、2025年1月31日に高岡市と基本協定を締結し、4月25日には市有財産の売買契約が交わされました。

旧高岡共立銀行は、大正期に建設された洋風建築で、赤煉瓦や白御影石による美しい外観が特徴です。この歴史的建物は、第二次世界大戦中の空襲を免れた貴重な存在で、地域のシンボルとして親しまれています。高岡市は、この文化財を有効に活用し、市民や観光客が訪れる新たな交流の場を作りたいと考えています。

計画の内容

本事業では、審査を経て選ばれた企業が、旧高岡共立銀行の耐震補強や改修を行い、1階にはレストラン、2階と3階には宿泊施設を整備することが決まっています。また、隣接地にも新たな宿泊機能が増築され、建物全体の利活用が図られます。これにより、歴史的な建築と現代的な機能が融合した新たな観光拠点が、2028年の開業を目指して整備される予定です。

市は、「旧高岡共立銀行保存活用計画」を2022年3月に策定しました。この計画のもと、地域に根差した「クラフト・工芸」をテーマとし、富山の豊かな食文化や高岡の歴史、伝統産業技術を活かした観光資源を取り入れることが目指されています。観光客がより多くの時間を過ごせるような仕掛けを提供するため取り組んでいます。

さまざまな仕掛け

プロジェクトでは、レストランに工芸・クラフト作品の展示スペースを設け、訪れた人がこれらに触れる機会を提供します。また、各工房やアクティビティに関する情報を発信し、工房見学や製作体験に参加を促すプログラムも計画されています。デジタルアーカイブにより、旧銀行の創建時の写真や図面も展示され、訪問者がその文化的背景や歴史に触れることができます。

シェアモビリティの導入を通じて、行動範囲を広げ、多彩な宿泊体験の提供を目指すことも重要なポイントです。これにより、観光拠点としての価値が高まり、高岡市全体の賑わい創出にも寄与することが期待されています。

ミサワホームの役割

ミサワホームは、今後も高岡市と協力し、文化財的価値を次世代に受け継ぎ、地域の魅力を引き出す取り組みに貢献していく方針です。このプロジェクトが成功すれば、旧高岡共立銀行は新たな観光名所として、訪れる人々に魅力を伝え続けるでしょう。地域のシンボルとしての新たな役割を担うことで、高岡市の発展にも寄与することが期待されています。

旧高岡共立銀行を舞台にした再生プロジェクトは、地域の歴史を尊重しながら、未来の観光拠点を模索する貴重な試みです。この取り組みが地域活性化につながり、多くの人々に愛される場所となることを願っています。