次世代X線イメージングの革新を目指すダイヤトレンド
ダイヤトレンド株式会社(大阪府大阪市)は、2025年11月1日から8日まで横浜市で開催される2025 IEEE NSS MIC RTSDにて、自社開発の高速シンチレーションフォトンカウンティング検出器についての新たな研究成果を発表します。昨年の発表を基に更なる研究の進展を示し、実際の撮影結果も含めたデモンストレーションを行う予定です。
高速シンチレーションフォトンカウンティング検出器の詳細
ダイヤトレンドが東京大学と東北大学との共同研究によって開発したこの検出器は、柱状シンチレータ、SPADベースのSiPMアレイ、そして高速計数回路から構成されています。この技術の重要な特長は、ポーラリゼーションを排除し、低チャージシェアリングを実現することで、高い定量性を誇るデータを収集できる点です。この性能によって、さまざまな物質の識別が可能となります。
低クロストークを実現した微細加工技術
特に注目すべきは、C&Aとの共同開発により実現された微細構造を持つシンチレーション装置です。GFAGピラー型アレイを用いることで、隣接するピクセルへの光漏れを大幅に低減し、鮮明かつ高精度な画像を提供します。また、マルチワイヤーソー溝切り技術を利用して精密なピッチを維持することで、全体的な性能の均一性も保障されています。
新たな検出器モジュールと実証データ
ダイヤトレンドはFBK社と共同で、250μmピクセルのSiPMを開発し、新たな検出器モジュールを設計しました。X線透過撮影が行われ、異なるエネルギー閾値(20keV、30keV、40keV、50keV)の下で撮影された煮干しの画像が得られ、この検出器がエネルギー選択的なイメージングを可能にすることが証明されました。これにより、リチウムイオン電池の異常検知、空港での手荷物チェックにおける危険物検出、さらには医療用CTにおける新しい造影剤の導入など、多くの分野への応用が期待されています。
発表の詳細と展示ブース
2025年のIEEE会場では、最新の研究成果を発表し、企業ブースでは高速シンチレーションフォトンカウンティング検出器の実機を展示する予定です。具体的には、以下のようなプログラムがあり、詳細な情報が提供されるとともに、実機に触れる貴重な機会が提供されます。
Oral presentation
- - 日時: 11月7日(金) 11:00 - 11:15
- - 場所: G2
- - セッション: MIC Session / M-14-05
- - 発表タイトル: A fine-pitch GFAG-SiPM based photon counting imager and its performance
- - 発表者: 島添健次(東京大学)
Poster presentation
- - 日時: 11月5日(水)10:00 - 12:00
- - 場所: G4 & G6
- - セッション: NSS Poster Session / N-16-316
- - 発表タイトル: Inverse Problem-Based Spectral Correction of Escape X-rays in GFAG-SiPM Photon-Counting CT Detectors
- - 発表者: 小林洋介(東京大学)
Exhibition Booth
- - 展示期間: 11月4日(火)12:00〜11月6日(木)16:00
- - ブース番号: 46(C&Aブース内)
今後のパートナーシップについて
エネルギー情報を基にした物質弁別技術の向上や新素材の開発に関心をお持ちの研究者や企業とのコラボレーションを求めています。この検出器の性能を共に向上させることに関心がある方は、ぜひ当社のブースにお立ち寄りいただき、お話ししませんか。新たな医療応用を視野に入れた開発パートナーシップの形成を楽しみにしています。
2025年 IEEE NSS MIC RTSDとは
この国際会議は、放射線検出器に関する先端技術を議論する場として世界中から多くの研究者が集まります。特に医療などの画像化システムに関わる内容が中心で、今後の技術革新を促進する重要なイベントとなるでしょう。
ダイヤトレンド株式会社の技術革新やパートナーシップにご興味をお持ちの場合は、お気軽にお問合せください。