京都音楽博覧会2025と連携した「資源がくるりプロジェクト」
2025年10月11日から12日にかけて梅小路公園で開催される「京都音楽博覧会2025(音博)」に向けて、地域の資源循環に焦点を当てた新たなプロジェクト、「資源がくるりプロジェクト」が始まりました。このプロジェクトは、京都リサーチパーク株式会社(KRP)が出資する株式会社梅小路まちづくりラボ(梅ラボ)が主導し、地域社会と環境を守るための取り組みを推進しています。
プロジェクトの発端は、音博に参加するロックバンド「くるり」のボーカル岸田繁氏の思いつきから始まりました。彼は地域のまちづくりに関する考えを持ち、KRPの足立毅氏と共に、このプロジェクトを形にすることにしました。音博の日に廃棄される食品残さを回収し、これを「完熟たい肥」に変えるという資源循環の実証事業がスタートしたのです。
プロジェクトの内容
このプロジェクトの具体的な活動は、音博が開催される日程に合わせ、会場内のフードエリアで発生する食品残さを回収することから始まります。そして、梅小路公園内に設置された「コンポスト・ステーション」で、回収した食品残さを堆肥化し、公園の花壇の肥料として再利用します。2023年には、音博会場での回収によって520kgの食品残さを集め、その1部を利用して完熟たい肥の作成を行います。
11月5日には初回のたい肥作りが行われ、ボランティア15名が参加。その日は、コンポストアドバイザーの指導のもと、食品残さの水分調節や混ぜる作業が実施されました。この後も活動は続き、月に2回のペースで作業が行われる予定です。完成した完熟たい肥は、市民団体による花壇の整備に役立てられます。
地域づくりと環境保護
「資源がくるりプロジェクト」は、音博や梅小路公園を起点に、地域の資源循環への意識を高めることを目的にしています。このプロジェクトに参加することで、地域住民が環境保護について考えるきっかけになり、また、新たなコミュニティづくりが進められます。音博が開催される際には、参加者もこのプロジェクトに関与し、地域全体の結束を強化する機会となることでしょう。
プロジェクトの成功は、地域の多様な事業者との連携にもかかっています。地域企業や団体が協力して、環境に優しい未来を育てるための具体的な一歩を踏み出しているのです。「資源がくるりプロジェクト」は、この取り組みを通じて、その意義を広く伝えていくことでしょう。
京都リサーチパークは、全国初の民間運営によるサイエンスパークとして1989年に開設され、地域の産業支援に貢献しています。梅小路まちづくりラボも、地域の活性化のために設立された企業であり、地域のクリエイティブタウン化に向けて活動を続けています。今後の進展が期待されるプロジェクトです。