介護の日に注目したい、高齢者向け美容のプロたち
毎年11月11日は「介護の日」。この日を通じて、介護を受ける人、支える人、介護に関わる全ての人に敬意を表する重要な日です。2023年も、その意義が強く感じられる中、特に注目されているのが「介護美容」です。
高齢者のQOL向上に向けた新たな取り組み
株式会社ミライプロジェクトが運営する「介護美容研究所」では、高齢者向け美容の専門家「ケアビューティスト」を育成し、介護と美容の専門知識を融合させたカリキュラムを全国で展開しています。介護の現場では、業務の増加や人材不足が深刻化しており、その対策として高齢者のQOL(生活の質)を向上させるための新しい支援が求められています。
「ケアビューティスト」は、美容を通じて心身の活性化や自尊心の回復を促進し、高齢者が美容の恵みを受けることで生活の質を向上させる役割を果たしています。実際に、近年介護施設における美容施術の導入は急増しており、わずか4年でその数が約13倍に達しました。
11月11日、「介護の日」の意義
この日が成立した目的は、介護を支える人たちを「感謝」の気持ちで包むこと。受ける側だけでなく、その後ろには支えている多くの人や家族がいることを忘れてはなりません。介護美容を通じて、すべての人が相互に支え合う社会を築く一助となることが期待されています。
介護現場における具体的な成功例
実際に、介護美容の導入によって得られた良い変化は数多く報告されています。以下は、導入施設からの声の一部です。
1.
SOMPOケア ラヴィーレ大宮弐番館の利用者がネイルケアを受けることで、心が前向きになり、社会的なコミュニケーションが増加したという成功例があります。
2.
メディカルホームグランダ目黒では、ネイルを施す特別な日をとても楽しみにする利用者が増え、家族からも美容サービスの意義が大いに評価されています。
3.
パークサイド岡野ホームでは、美容レクリエーションが話題の中心となり、デイサービスの利用率が向上するなど、コミュニケーションの活性化を促しています。
新たなキャリアの選択肢「ケアビューティスト」
また、「ケアビューティスト」は新しい働き方としても注目されています。過去に大企業で勤務していた箱石志保さんは、介護美容の技術を学び、独立して訪問美容事業を展開。自らの経験をもとに、他の夢を持つ人たちに向けたオンラインサロンも運営しています。
一方、看護師の荻野久子さんは、看護のスキルを活かしながら、美容を取り入れた新たなキャリアを見つけました。これにより本人の働き方も変わり、やりがいを持った職業人生を送っています。
このように、介護美容が可能にする働き方の広がりは、今後も多くの人に希望を与えるでしょう。
未来への展望
株式会社ミライプロジェクトは、今後もケアビューティストの育成を進めると同時に、美容施術を介護現場にさらに浸透させ、その価値を広めていく計画です。あくまですべての人が「自分らしく生きる力」を取り戻せる社会を目指し、地域連携や啓発活動にも積極的に取り組んでいきます。
介護の現場における美容の重要性がますます高まる中、これからも多様なキャリアの人材が集まり、高齢者への支援が進化していくことに期待が寄せられています。ぜひこれを機に、介護美容について知識を深めてみてはいかがでしょうか。