自然免疫を活性化するLPSの新たな可能性に迫る研究成果
自然免疫応用技研株式会社が発表した総説によると、LPS(リポポリサッカライド)が自己治癒力を維持する新しいメカニズムが明らかになりました。この研究は2025年3月31日に科学誌『Frontiers in Immunology』に掲載され、LPSの経口及び経皮摂取が持つ健康効果について詳しく述べられています。特に、マクロファージ細胞が中心的な役割を果たしていることが強調されており、LPSの摂取がどのようにして自己治癒力を高めるのか、その過程が解説されています。
1. LPSの基礎知識と研究背景
LPSとは、自然界に存在する細菌の成分であり、これまで血管内に取り込まれると強い炎症反応を引き起こすと考えられていました。しかし、最近の研究により、自然な経路—すなわち経口や経皮での摂取—を通じて体内に入る場合、LPSが自然免疫を活性化し、健康を促進することが明らかにされてきました。
2. マクロファージネットワークの概念
本研究では、自然免疫の主要な構成要素であるマクロファージが「マクロファージネットワーク」を形成し、全身にわたって情報を伝達する仕組みを提唱しました。これにより、各マクロファージが単独で機能するのではなく、ネットワークを介して情報を共有し合うことで自己治癒力を維持できるとされています。LPSが経口または経皮的に摂取されると、これがマクロファージに情報を伝達し、周囲のマクロファージにも信号を送って反応を引き起こします。
3. LPSの健康維持メカニズム
LPSを摂取することで、マクロファージネットワークが活性化され、以下の健康効果が期待されます:
- - 免疫機能の強化:LPSがマクロファージを刺激し、全体的な免疫応答を向上させます。
- - 慢性炎症の抑制:LPSは炎症を和らげる働きがあり、自己治癒の助けとなります。
- - 組織の修復促進:LPSは皮膚や内臓の修復を促進し、健康維持に寄与します。
4. 安全性と普及の可能性
LPSは経口・経皮的に摂取しても安全であり、特に野菜や穀物に含まれるLPSの安全性は多くの研究で確認されています。これにより、LPSが普段から安心して摂取できる成分であることが強調されています。
5. 今後の研究方向と医療への応用
本研究は、LPSを利用した自然免疫の活性化による新しい医療アプローチへの道を開くものです。特に生活習慣病や老化に関連する疾病に対する治療や予防において、新しい可能性を提供することが期待されます。今後の研究では、具体的な応用方法やその効果についてさらに検証が進められるでしょう。
詳細なデータや関連する研究成果については、自然免疫制御技術研究組合のプレスリリースをぜひご覧ください。一般の方々へ向けた情報提供も行なっています。
【総説情報】
- - タイトル:Oral and transdermal administration of lipopolysaccharide safely enhances self-healing ability through the macrophage network
- - 著者:Gen-Ichiro Soma ほか
- - 掲載誌:Frontiers in Immunology
- - DOI:10.3389/fimmu.2025.1563484
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自然免疫応用技研株式会社
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