アルムナイネットワークの現状とその価値
はじめに
近年、企業の人材戦略において注目を集めている「アルムナイネットワーク」。これは、企業と退職した元従業員との関係を構築し、活用する取り組みを指します。しかし、実際にはどれだけの企業がこのネットワークを運用しているのでしょうか。
株式会社月刊総務が実施した調査によると、全国の総務担当者116名から得た回答をもとに、アルムナイネットワークの認知度や導入状況が明らかになりました。
認知度と導入状況
調査結果から、アルムナイという言葉を「聞いたことがない」と回答した人が32.8%にのぼり、認知度がいまだ低いことが浮き彫りになりました。また、実際にアルムナイネットワークを構築している企業はわずか10.3%と非常に限られていることもわかりました。これでは、企業の潜在的な資源を充分に活用できていないと言えます。
アルムナイネットワークの活動内容
構築されているネットワークでは、OB会の開催や社内報の送付、定期的な情報提供といった活動が行われています。これにより、元従業員と企業のつながりが維持され、時には新たなビジネスチャンスを生むことにもつながります。
メリットと実績
アルムナイネットワークの運用によるメリットとして最も多く挙げられたのは「再雇用の機会の創出」で71.6%、続いて「リファラル採用」が50.9%、他社での経験のフィードバックが35.3%と、見込みのある人材を再度活用できる点が強調されています。
実際にアルムナイ採用を行っている企業は32.8%に達し、その理由として「即戦力」として活躍できることが重要視されていることが浮かび上がります。これは、即戦力として業務に貢献できるスキルや、自社の文化への理解が求められることを示しています。
アルムナイネットワークが抱える課題
一方で、アルムナイネットワークを構築していない企業の理由として、「再雇用は別途採用の一環として実施」との回答が34.7%を占めました。また、「退職者と継続的な関係を持つ必要がない」と考える企業も多く、その運用に伴うコストや工数の問題も無視できません。
今後の展望
調査結果を通じて、アルムナイネットワークの活性化には多くの課題があることが判明しました。認知度の向上やメリットの具体化を進めることで、企業の採用力を高める手段として進化させる必要があります。特に、競争激化の現代においては、多様な人材の活用が求められます。
終わりに
株式会社月刊総務は、アルムナイネットワークのさらなる普及と実証事例の充実を目指し、引き続き情報提供やセミナーを通じてサポートしていく方針です。アルムナイと企業の関係構築は、今後のビジネス戦略において鍵となるでしょう。
株式会社月刊総務について
- - 設立年: 2018年8月
- - 事業内容: 『月刊総務』の発行、総務関連セミナーの開催、バックオフィス業務のコンサルティングなど。
- - ホームページ: 株式会社月刊総務