多胎育児支援アプリ「moms」が世界中で注目される理由とは？

日本初の多胎育児支援アプリ「moms」について

日本における多胎育児には、他の家庭とは異なる特有の課題が存在します。双子や三つ子などを育てる家庭では、精神的負担や育児情報不足から孤立することが多いとされます。そんな悩みを持つ多胎家庭を支えるために、株式会社ponoが開発したアプリ「moms（マムズ）」が注目されています。

このアプリは、妊娠から育児にかけて多胎家庭に特化した情報やサポートを提供しており、プロトタイプ公開からわずか半年で5,200ダウンロードを突破しました。現在では、なんと13カ国で使用されており、多胎育児の支援が世界的に広がっています。

多胎家庭が直面する社会的課題

多胎家庭では、虐待死率が単胎家庭の2.5～4倍、離婚率も1.5～2倍とのデータがあります。日本国内では年間約8,700組の多胎家庭が誕生していますが、そのための育児情報は限られており、孤立感や情報不足に悩む家庭が後を絶ちません。特に、授乳や外出の負担が大きいため、外に出たり他の親とつながる機会も少なくなります。

「moms」が提供する解決策

「moms」は、以下のような機能を提供しています：

- コミュニティ機能: 同じ境遇の親同士が交流し、情報を交換できる場を提供。
- 多胎SOS機能: 助けが必要なときに、ワンタップで地域の窓口につながることができる機能。
- ショップ機能: 先輩ママパパからのお勧めを元に多胎育児に必要なアイテムを購入できる。

利用者からは、「みんなの体験談を読むことで孤独感が和らぐ」、「相談しやすい環境が心強い」といった声が寄せられています。実際、多胎育児の不安や疑問に対して迅速に情報を得られ、同じ立場の親とつながる機会を持つことができるのは大きな利点です。

将来的な展望

株式会社ponoの取締役、古島夏美さんは、双子の母としての経験を踏まえ、同じ境遇の人とのつながりの重要性を語ります。「ひとりじゃない」と感じられることが、育児における支えとなり、孤立を解消する手助けになります。会社は「多胎家庭の大変さを幸せに変える」ことを目指して、アプリ機能のさらなる充実を図る意向を示しています。

ふるさと納税による支援の呼びかけ

福岡市との連携で、多胎家庭を支える取り組みへの資金を募るため、ふるさと納税が利用されています。このプロジェクトは、「福岡市ソーシャルスタートアップ成長支援事業」に採択され、多胎家庭が孤立せず、安心して育児ができる環境作りに向けて資金を集めています。支援は9月30日まで受け付けており、興味のある方はぜひ参加を！