海の未来を子どもたちが考える「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」
一般社団法人北海道海洋文化フォーラムは、2024年8月5日から7日までの3日間、釧路市、厚岸町、浜中町を舞台に小学生を対象にした「くしろ・あっけし海の未来調査隊!2024」を開催しました。このイベントは次世代に美しい海を引き継ぐための一環として、日本財団の「海と日本プロジェクト」にも参加しています。
豊かな海の未来を探る
「くしろ・あっけし海の未来調査隊」には、道内各地から選ばれた小学5・6年生30名が集結しました。参加者たちはまず、釧路沖での漁業の歴史を学び、現在重要な水産物であるイワシの缶詰加工も体験しました。初めて魚をさばく子どもたちの姿は、緊張感と興奮に満ちていましたが、すぐにコツを掴み、オリジナルのイワシ缶詰を完成させました。
その後、講師による日本の漁業と海外の漁業を比較する講義を通じて、資源の減少が人間活動によるものであることと、持続的な漁業管理の重要性について学びました。
海とのつながりの体感
2日目は、厚岸漁業協同組合の市場でイワシのセリを見学し、実際の漁業活動を目の当たりにしました。市場の活気や漁業の重要性に触れた子どもたちは、食卓に届く魚の背後にある努力を感じ取りました。
つぎに訪れたアサリ島では、湿地の生態系と海のつながりを体験。デモンストレーションを通じて、アサリの生息数や個体の調査も行いました。ここでは地元のエキスパートから自然環境への理解を深めることができました。
午後は浜中町でプランクトン採取を行い、海洋生態系の基盤を支えるプランクトンの重要性を学びました。その後、初めてのSUP体験で子どもたちは海との一体感を味わい、充実した一日を過ごしました。
自然と人との関係を学ぶ
3日目はまとめの時間です。子どもたちはイベントで学んだ知識をもとに「海の未来」に関するアイデアを発表しました。アイデアのひとつにプランクトンの養殖や、魚を丸ごと使ったフィッシュミールの再利用、広報活動の重要性などがありました。これらの発表は子どもたちの柔軟な思考を示すものとなりました。
全プログラムを終えた後、参加者には「くしろ・あっけし海の未来大使」の認定証が手渡され、特別な体験の証を持ち帰ることができました。
参加者の声
参加した子どもたちは、海とその周囲の環境のつながりに強い興味を抱き、「これからは川をきれいにする努力をしようと思った」や「漁師の話を聴いて漁師になりたいと思った」という感想を持ち帰りました。保護者からも、「学校では得られない貴重な体験だった」という声が多数寄せられ、イベントの成功を物語っています。
終わりに
このようなイベントを通じて、子どもたちが未来の海を考え、寄与するための行動を起こす素地を育むことの重要性を再認識しました。海の未来は彼らの手にかかっています。