カワスイ川崎水族館、完全デジタル化へ!
カワスイ川崎水族館が、団体予約システムのデジタル化を実現し、2023年10月1日よりFAXを完全に廃止しました。この革新的な取り組みは、sento.group合同会社の支援のもとに実施され、業務の効率化と顧客体験の向上を目的としています。
デジタル化の背景
日本の教育現場において、FAXの使用が依然として高い割合を占めています。文部科学省の調査の結果、公立小中学校の95%以上がFAXを利用しているという事実があります。これに対し、政府は2023年12月20日に「デジタル行財政改革会議」で2025年度末までにFAXを原則廃止する方針を打ち出しました。これを受けて、カワスイはその先進的なモデルとして注目を集めることとなります。
前年比での来館者数の急増
カワスイのデジタル予約システムは、実運用から約1年経過し、その効果がデータにより確認されました。具体的には、2022年度と2023年度の比較において、来館者数が193.7%増加し、団体数も188%の増加を記録しました。また、継続来館団体の比率が2022年度から2023年度には10.3%だったのに対し、2023年度から2024年度には19.2%に増加。デジタル化が根付いた結果、団体のリピート利用が促進されたと分析されています。
新システムの特徴
カワスイの新システムには、さまざまな特徴があります。特に注目すべきは、- 柔軟な入力フォーム設計により、団体予約の特有業務である減免申請書の処理が容易になり、利用者にとっての利便性が高まりました。
- - オンライン予約管理機能の導入により、予約後に申込者が人数変更といった編集を行うことができ、電話やFAXでのやり取りが不要に。
- - データをリアルタイムで可視化できる集計業務の自動化により、業務効率が大幅に向上しました。これにより、職員はより戦略的な業務に注力できるようになりました。
- - MA(マーケティングオートメーション)機能が導入され、予約プロモーションに活用されています。
- - アンケート回収の自動化に関しては、来館日翌日に参加者にフィードバックを受け取るためのアンケートが配信されます。
利用者の反響
カワスイでは、予約対応時間を従来の約4分の1に短縮し、年間2000時間以上の業務時間を削減。ペーパーレス化によって、年間約8000枚の紙が不要になります。カワスイの館長である田井村勉氏は、「デジタル技術の活用により多くの業務負担が軽減され、業務効率が向上しました」と語っています。また、川崎市内の学校職員、佐々木恵理子先生は、「オンライン予約が可能になり、業務がスムーズになりました」と称賛しています。
今後の展望
今後もカワスイはデジタル技術を活用して、さらに顧客体験の向上を目指します。sento.groupの代表、和島祐生氏は、「このプロジェクトは、予約業務の効率化にとどまらず、施設全体のデジタル化を進めるきっかけになりました」と述べています。デジタル改革が進む現代社会において、カワスイとsento.groupの取り組みは、教育および文化施設のデジタル化の模範となっているのです。