60歳以上の女性たちが示す「若さ」と新たな消費の視点

株式会社ハー・ストーリィによる調査は、60歳以上の女性268名を対象に実施され、彼女たちの意識や行動、消費スタイルが明らかになりました。この調査から浮き彫りになってきたのは、年齢に対する意識の変化と、シニア市場における可能性の広がりです。

「実年齢より若い」と感じる女性が7割超

調査結果によると、66.8%もの女性が自らの「気持ちの年齢」を実年齢より若いと感じていることがわかりました。特に70〜74歳の女性層では、最も多くの回答者が「実年齢よりも10歳若い」と認識しています。このようなポジティブな自己認識は、彼女たちのライフスタイルや消費行動に大きく影響を与えているようです。

60代はアクティブ、75歳以上は頻度が減少

普段の外出頻度についても、60代女性の7割が「ほぼ毎日外出する」との回答を示しました。一方、70代以降では外出頻度が減少傾向にあり、週2〜3回の外出が一般化してきています。この変化は、年齢を重ねるごとに生活の必要性や健康維持といった実用性が重視されるようになる様子を反映しています。

世代別の外出目的の変化

外出の目的についても年代ごとに特徴があります。60〜64歳の女性たちは友人や家族と会うための外出が多いですが、65〜69歳になると運動や通院、趣味や習い事に関心が集中しています。70〜74歳では、買い物だけでなく旅行やボランティアなど、より積極的に社会参加を求める傾向が見受けられます。

健康維持に向けた意識の高さ

健康を保つために日常で実践していることでは、54.1%の女性が「食事に気をつけている」と回答しました。次いで散歩やウォーキング、他者との会話が続きます。特に70代前半では新しい挑戦に意欲的な姿勢も見られ、心身の健康を維持するために新たな活動を取り入れる女性が多いことが伺えます。

変わる不安の内容

逆に、不安を感じる内容についても世代ごとの違いが顕著です。60代前半では経済的安定への不安が目立つ一方で、70代では健康状態や安全面への懸念が増してきています。このように年齢と共に不安の内容がシフトしていることが示されています。

スマートフォン利用率が9割以上

特に注目すべきは、スマートフォンやタブレットの利用率が非常に高いことです。60歳以上の世代でも9割を超え、65〜69歳層では97.4%に達します。これにより、消費行動が紙媒体とデジタルを融合させた「ハイブリッド型」へと進化しています。

変化する「やりたいこと」

また、「やりたいこと」は世代によって異なります。60代前半は資産運用や習い事に注目し、退職後を見据えた備えに関心がありますが、70代では趣味や家庭菜園、日帰り旅行など、身近で楽しめる活動が重視されます。特に健康的な生活を意識している方が多い結果となっています。

年齢に縛られない女性たち

今回の調査から、60歳以上の女性たちは「年齢に縛られず、今を前向きに生きたい」という強い意識を持っていることが浮き彫りになりました。彼女たちのポジティブな姿勢は日常生活や消費行動にも影響を与え、シニア市場は今後ますます大きな可能性を秘めていることを示唆しています。

まとめ

マーケティングや商品開発において、女性インサイトを基にしたアプローチが求められており、その重要性は今後ますます高まるでしょう。年齢を超えた価値観や期待に応える商品やサービスを開発することが、今後の成功の鍵となるといえます。

この調査結果は、女性の消費行動や価値観の変化を把握する貴重なデータであり、シニア世代に特化したサービス開発やマーケティング戦略を考える上で欠かせないものとなるでしょう。