琵琶湖疏水が国宝に
2025-08-27 19:06:24

琵琶湖疏水施設が国宝に指定!歴史と技術の結晶を探る

琵琶湖疏水施設が国宝指定



2023年8月27日、水の都・滋賀県大津市に位置する琵琶湖疏水施設が、国宝および重要文化財として正式に指定されました。今回の指定は昭和36年以来、実に64年ぶりとなる建造物の国宝指定で、地域の歴史的意義を改めて見つめ直すきっかけとなります。国宝として指定されたのは「第一隧道」で、重要文化財としては「大津閘門・堰門」「大津運河」が選ばれました。

歴史と背景



琵琶湖疏水は、琵琶湖の水を利用して京都まで疏通するために設計された人工の運河です。明治期の再興を遂げた京都の近代化を支えたこの施設は、当時の技術の象徴でもあります。北垣國道を知事とした京都府が主体となり、舟運や灌漑、防火、水道などの多様な機能を持つ施設として、田邉朔郎が工事主任、島田道生が測量を担当して建設が進められました。

第一隧道の詳細



国宝に指定された「第一隧道」は、琵琶湖と京都を結ぶ運河の中で最も東側に位置しています。この隧道は長等山を貫通する全長約2,436メートル、幅員約4.9メートルの煉瓦造りで、当時の日本のトンネル工事としては最長規模を誇りました。工事の際には、作業員の昇降や資材搬入のために日本初の竪坑工法が採用され、2つの竪坑が設けられました。その設計と構造は、明治時代の建設技術の高さを示すものとして、今日でも重要視されています。

第一隧道の装飾



第一隧道の坑門は古典主義に基づく美しい装飾が施され、東口には伊藤博文、西口には山縣有朋が揮毫した扁額が掲げられています。これらの装飾は、この建物が単なる施設ではなく、政治的な重みをも持っていたことを示しています。

大津閘門および堰門



琵琶湖疏水施設の一部として、大津閘門と堰門も重要文化財として評価されました。大津閘門は琵琶湖と大津運河間の水位調整を行う役割を果たし、堰門は琵琶湖の水位に関係なく、疏水に一定量の水を供給します。これらの施設は運河の運用にとって欠かせない存在であり、長年に渡り地域の水資源を守ってきました。

大津運河の構造



また、「大津運河」は大津閘門及び堰門と第一隧道を結び、延長197mの直線状の開渠です。花崗岩を用いた2段の石垣で固められた両岸は、その美しい形状と機能性で注目を集めています。運河は地域の歴史を語る大切な存在であり、多くの人々に親しまれてきました。

文化財としての意義



琵琶湖疏水施設の国宝及び重要文化財指定により、その重要性が再認識されています。この施設は単に美しいだけでなく、歴史的・技術的な価値も高いものです。今後さらなる保全活動が行われ、次世代にその魅力が引き継がれることが期待されます。琵琶湖疏水が生み出してきた文化や歴史を、ぜひ多くの方に体験してほしいと思います。


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大津市
住所
滋賀県大津市御陵町3番1号
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