持続可能な食の未来を切り開く「Green Growers & BEYOND MEAT®CONFERENCE」
2023年7月24日(水)、東京で「Green Growers & BEYOND MEAT® CONFERENCE」が開催されました。このイベントは、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(以下、U.S.M.H)と米国のプラントベース食品企業「BEYOND MEAT」社との共同主催によるもので、初めての来日となる同社のCEO、Ethan Brown氏が登壇。フードテックの最前線について語りました。
イベントの概要
このセミナーは、持続可能な食とその技術の普及を目的とし、多くの参加者が集まりました。CEOのEthan Brown氏の基調講演に加え、植物工場に特化した株式会社プランテックスの代表取締役社長、山田耕資氏もスピーチを行い、それぞれの専門知識を活かしたお話が展開されました。
参加者には、未来の農業や食のあり方についての重要なテーマが提示され、特に気候変動に対するアプローチが強調されました。
Ethan Brown氏のスピーチ
Ethan Brown氏は、気候変動の深刻な問題について触れ、自らのキャリアの原点を振り返りました。「私がBEYOND MEATを始めたきっかけは、大学院生の頃、父からの問いかけでした。地球が直面する最大の問題を考えた時、それは気候変動だと感じたのです。」と語り、食品の摂取がもたらす環境への影響を指摘しました。
彼は、特に畜産業における環境負荷が大きいことを示し、「私たちは入手可能なエネルギーを食品に転換し、植物由来の肉を作る道を模索しています」と力説しました。彼の理念は、植物由来肉を通じて「人の健康」「地球環境」「天然資源の持続可能な利用」「動物愛護」という4つの課題を解決することにこそあります。
山田耕資氏のスピーチ
続いて登壇した山田耕資氏は、プランテックスが手がける先進的な植物工場の紹介を行いました。彼は、「クローズドな環境での植物栽培が可能な装置を開発し、最適な栽培環境を提供します」と説明し、特に「THE TERRABASE土浦」という植物工場の取り組みを強調しました。この工場では、従来の農業よりも少ない水や資源で高い生産性を実現しており、非常に衛生的な食材を提供しています。
U.S.M.Hのビジョン
U.S.M.Hのプログラムマネジャー、満行光史郎氏は、自社のプライベートブランド「Green Growers」の理念を語りました。「安全」「健康」「環境にやさしい」をテーマにした商品開発に取り組む中で、このイベントが生まれたことを明かし、新たなサプライチェーンや持続可能な農業への取り組みについても触れました。
未来への展望
このセミナーを通じて、参加者たちは、持続可能な食の未来に対する新たな理解と展望を持つ機会を得ました。2030年には80億人を超えるとされる世界人口に対し、持続可能な食料システムの構築は不可欠です。プラントベースの食品業界が果たす役割はますます重要になっていくことでしょう。
いかに私たちが日々の食選びを通じて、環境や健康、社会に貢献できるか、これからの社会において非常に大切なテーマとなることは間違いありません。今後も「Green Growers」と「BEYOND MEAT」の取り組みに注目が集まります。