鳥羽商船高専での特別講義
三重県鳥羽市に位置する鳥羽商船高等専門学校は、令和6年12月13日(金)に、東海農政局長の秋葉一彦氏を招いた特別講義とグループワークを実施しました。この講義は、農業の未来に向けての情報交換を目的に行われ、学生たちはさまざまな視点から農業の現状と課題について学びました。
講義のテーマと内容
講義は、令和6年9月4日に鳥羽商船高専と東海農政局が締結した包括的連携協定に基づいて実施されました。秋葉局長は「食料・農業・農村の抱える課題の解決に向けて」と題し、昨年改正された食料・農業・農村基本法や、自然資源の現状について詳しく説明しました。特に、持続可能な資源の維持に向けての農林水産省の戦略、例えばスマート農業の推進についても触れられました。
スマート技術の活用
秋葉局長は、スマート技術の導入によって解決可能な農業課題の具体例を挙げながら、その期待感を語りました。講義後には質疑応答の時間が設けられ、学生たちからはスマート農業の参入者やこれからの農家に必要なスキルに関する積極的な質問が寄せられました。局長は、「スマート農業に参入するのは若い世代が多い」とし、今後は販売戦略も重視していく必要があると述べました。
学生による事例発表
特別講義の後、学生たちはそれぞれの取り組みを発表しました。発表内容には、AIを活用した環境制御システム「苺愛(いちごあい)」、獣害検出機「ほかくん」、スマートコンポスト「Terra Meal」などがあり、秋葉局長はその技術の革新性に絶賛の声を上げました。これらの取り組みは、農業や資源の有効活用に寄与する可能性があり、今後の発展に期待が寄せられました。
グループワークでの意見交換
最後に、グループワークが行われました。秋葉局長は学生に対し、発表した技術を社会全体に普及するためにどのようなアプローチが必要かというテーマを提起しました。学生たちは、農業の未来を担う若者への教育や、社会全体での支援体制の必要性、成功事例のアピールをするコンテストの開催等について意見を交わしました。このような内容から、学生たちが農業の未来について真剣に考え、意見を出し合う姿が印象的でした。
鳥羽商船高専の役割
鳥羽商船高等専門学校は、1875年に設立され、長い歴史を持つ教育機関です。商船学科と情報機械システム工学科の二つの学科で構成されており、次世代の技術者を育成しています。今回の特別講義を通じて、学生たちは農業の現状に対する理解を深め、未来の農業技術についての視野も広がったことでしょう。今後も、東海農政局三重県拠点との連携を深め、産業界のニーズに即した技術開発が進むことが期待されます。
特別講義の最後に参加者全員で撮影した集合写真は、学びの成果を象徴する貴重な一枚となりました。